Monday, January 03, 2011

プロデュースについて

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巷ではAKB48の活躍が目覚しい。というか秋元康の活躍が目覚しい。
細かいことは全く知らないが、それでも彼は名プロデューサーだ。

彼から学んだことは、やはり「シナリオ」は大事だということと、フェーズの見極めについて。

世の中、何が起こるかわからないし、当初の想定通りに事が進むことはまずない。だから、その場その場で問題を解決する能力が大事。これは全くその通りで、問題解決能力は生きていく上で最も重要な能力のうちの一つ。ただ、これがたまに違う文脈で違うメッセージを孕みながら言われるときがある。即ち、何かをするときに、どうせ想定通りに行かないのだから、緻密なシナリオ作りに力を入れるのをやめろ、というメッセージだ。想定通りに事が進まないのは事実なので、時間配分のバランスという意味では一定の正しさはあるのだが、シナリオ作り、机の上での戦略作りは実際にはかなり重要だ。特に「プロデュース」において。

秋元氏は恐らく相当に緻密な戦略をとっている。どのタイミングで何をするかは勿論、予めかなりの精度で現象を想定している。あとはフェーズを見極め、そのフェーズにフィットした打ち手を放つ。フェーズというのが大事な概念で、いつでももてる100%の力を出せばいいというものではない。勝てる戦略の下では、どの段階で何をすれば効果的かがある程度決まっている。ついつい「今」にフォーカスしすぎると戦略的枠組みからはみ出てしまうのだが、そこでぐっと冷静になることが重要。

戦略・シナリオを練ること、そして、フェーズを見極めながら、それを冷静かつ俯瞰的な視点をもって実行すること、これがプロデューサーに求められる重要な能力の一つなのだと思う。

ところで「プロデュース」というのは何もミュージシャンやアイドルだけが対象ではない。例えば、部下や後輩の育成もまたプロデュース以外の何物でもない。あらゆるビジネスパーソンに求められるスキルだ。もっと言えば、子育てもある意味プロデュース(注:個人的には子供は自由に育てたい)なので、多くの人が一生のうちにプロデュース活動を経験する。

では、プロデューサーとして何が必要か?

秋元氏には経験がある。昔「おニャン子クラブ」を手掛けたというだけではなく、彼はAKB48をプロデュースするだけの材料を持っている。だからこそ、戦略が立てられるし、フェーズを見極められる。問題解決能力がいくら高くても、成果を確りと出せる確率という観点では、彼には勝てない。
同じように、僕らも経験値を溜める必要がある。このときただ溜めるだけではダメ。そんなのは誰でもできる。常に、次回は自分が一から戦略を練るのだということを頭に置き、またフェーズの変わり目に対してアンテナを張る。将来の(プロデューサーとしての)頭の使い方から逆算して、自分の経験値を豊かに溜める必要がある。

プロデューサー視点で仕事をすれば、将来のプロデュース活動に活きてくるもの。
くれぐれもプレーヤー視点だけで今の仕事を考えて機会損失をしないこと。自分への忠告。
 

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