Saturday, February 28, 2009

軽い金融本

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①債券取引の知識 <堀之内朗・武内浩二>

去年夏のふとしたきっかけで職場の大先輩から頂いた本。
日経文庫は相当種類あるけど、実は1,2冊しか読んだことがなかった。本書を読んで、殺風景なイメージから、意外といいじゃん!というイメージに変わった。
部数の出ている本は必ずしも内容が素晴らしいとは言えない。宣伝コストをかけて売られた結果であることが多いし、その分が本の値段に乗っかっている。勿論出版社にとってはきつい時代で、とにかく本が売れなくなってきている。世に送り出す冊数を絞ったり、マーケティング色を強めたりするのも無理は無い。しかしその一方で飾り気はないが内容のある本というのが埋もれてしまうのは非常に残念だ。日本でも急激に数が多くなったブログでの紹介やAmazonのレビューなどでそういう本にリーチすることはできるが、やはり時間も限られたビジネスパーソンなどは簡単に纏められた本、話題の本に手を伸ばしがちだ。言うまでもなく「楽・早」だからだ。webが進化し、「楽・早」を追求することは簡単になった。確かにそれもいいことではあるし、チャンスも増えるかもしれないが、ファストフード店の台頭を見たのと同じような感覚が僕の中に少なからず芽生えている。
本書の中身はというと、金利の仕組みから債券市場まで幅広く説明されている。説明の仕方が上手く、初心者にはもってこいのレベル。突っ込んだところまで理解できる類の本ではないが、全体を見た上で今後何をスポット的に勉強すればよいのかが分かる。僕は仕事で債券のことを考えることはほとんどないが、デュレーションについてはもう少し研究してみたいところだ。債券を含んだポートフォリオ管理には欠かせないはず。
全体の仕上がりとしてはコンパクトで非常にいい。どうせ内容の8割はすぐ忘れるだろうけど、読み返したい1冊。(昨年末にだらだら読んだのだが、もうすでに結構忘れている…)


②いちばん面白いデリバティブ練習帳 <永野学>

こちらは確か発刊日にたまたま買ったものの、あまり読むモチベーションが湧かずに放置されていた。練習帳という題名が面白そうだったのでろくに中身も見ずに買ったのだが、実際ストイックに練習問題をこなすというよりは、非常に感覚的な本。ここでこの例えを使うのか?!と思ってしまうような奇抜な発想が散りばめられていて、ハマる人にはハマる。例えを使った説明というのは、説明を受ける側の頭とマッチしたときには高い効果を生むのだが、逆にマッチしないときは全然伝わらなかったりする。扱っている内容がデリバティブの世界の表層部分なので、理解できないということはあまりないだろうが、本書もその類の本だと思う。
金融関係の本を多読する友人が面白いことを言っていた。(彼は同じような内容の本をいろいろ持っているのだが、)様々な著者による様々な角度からの説明が一つの対象の理解を促すのだという。上述の通り、人間には自分にしっくりくる説明のされ方というのがある。それに効率良く出会うには同じような内容の本をテンポよく読み漁るということらしい。分かっている部分も多い中で同じような内容の本を買って読むということはお金も時間もかかり無駄に思えるが、躓いている部分を効率良く飛び越えられるだけでなく、分かっていると思っている部分も勝手に復習できているため、勉強法としてはきっとなかなかいいものなんだとも思う。
 

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