Monday, March 02, 2009

仕事は楽しいかね?

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仕事は楽しいかね? <Dale Dauten>

昨年末にプレゼントされた、ありがたい本。
読んでから大分経ってしまったが、忘却曲線の彼方へ行ってしまわないうちに簡単に記録しておく。
タイトル・表紙から感じられるイメージ通り、ほのぼのとしたストーリー仕立ての自己啓発本。
構成はユダヤ人大富豪の教えにも似ていて、筆者が伝えたいことを物語内の「すごい人」に語らせる。数ある自己啓発本のように筆者がダイレクトに主張してもいいのだが、「すごい人」を置くことで読者に伝える力が増す。ユダヤ人大富豪の時もそうだったが、たまに読むとすんなり教えを享受することができていい。

内容はというと、「とにかくtryし続けよう」というシンプルなもの。今まで読んだ他の多くの本に書いてあることがほとんどなのでメッセージ自体は既に僕の中に染みこんでいるが、こういうのは何度上書きしてもよくて、モチベーションは上がる。課題は如何にして日々の行動に落とし込むかというところにあるが、そのためにはまず、本でもいいし人からの刺激でもいいし、何でもいいけれど、メッセージや学びを心の奥底ではなくて前面に出しておけるような定期的確認が必要。本書はリラックスした文体でその一助となった。

そのようにして今回再確認できて、これからも意識していこうと思っていることを以下メモしておく。


①他人の過去を生きるな!

これは常日頃から僕が思っていることで、自分の中ではかなり大事にしている発想。
本書にも同じような内容を言っている部分があった。

『きみは模範的な人の真似をしようとするけど、それはある一つの道をたどってほかのみんなと似たり寄ったりの考えに行き着こうとしているにすぎない。さらに悪いことには、模範的な人に話を聞くと、彼らは往々にして自分の歩んできた道のりを整然と語って、プロフェッショナルとはかくあるべき、みたいに思わせてしまうんだ―――別な表現をすれば、それこそが成功への決まった方法でもあるかのように思わせてしまうってこと。』(p74)

まさしく。そして周囲にそういう人生の先輩の多いこと。
時代も違えば人生の価値観も違う。一人ひとり生きることのmissionが違うんだから、人生という広大なストーリーにおいてベストプラクティスなんて本質的には存在しない。ある狭い範囲の物事(例えば特定のフィールドでのビジネス)に対してはベストプラクティスが存在することは多いし、ある特定の能力に注目したりすれば誰かをベンチマークとすることもできる。しかし一人ひとりの人生全体には決してそうした手法は適用できないと思う。人からのアドバイスを活かし、本や歴史から学びながらも、結局自分の幸せを創るのは自分なのだ。


②クジを引く回数を増やすという簡単なこと

世の中には案外超ローリスクで何度でもチャレンジ可能なものは多い。日々の仕事でもそうだったりする。ただどうしてか、自分も含めて、何度でもトライ可能なのにトライしない人が多い。1回1回のわずかな痛手・労力から逃げているだけなのだ。1回の試行の成功確率を高めるということは並大抵の難易度ではないのに、それをうんうん唸って考えたりする。考えるだけは楽だからだ。どんなに論理的・戦略的に考えても、人生における数々のトライにおいて人は失敗する。結局運とか縁とかそういうものにはなかなか勝てないからだ(勿論勝つ人もいる)。そしたら答えはホントにシンプルで、トライし続けることに尽きるんだよね。それができない場合は何らかの意識の転換が必要。全てはそこから始まる。


③自分は並みの人ではないと思え!

『他人を凌ぎたいと思うなら、まず最初に越えるべき、だけど一番難しいステップは、"並みの人"をやめることだ』(p83)

世の中頭がいい人はごろごろいるし、才能豊かな人、尋常じゃない努力家もいくらでもいる。頭の良さでも勝てない、才能面でもだめ、自分には仕事以外のこともあるし100%の時間を捧げて努力することなんてできない…とか思い始めると何もできなくなる。確かに個々の能力とか、時間のかけ具合とかで number one や only one になることはキツい。でもそれは必ずしも必要ない。実際に世界に自分より能力の高い人間がいようが、関係ないのだ。その人が自分を並みの人だと思ってしまっているために能力を発揮できていないかもしれないし、チャンスは無数にある。自分が並だと思ってしまってトライしなくなったらその時点でチャンスは全て手の中から消えてしまう。日々自分の至らなさを知り、謙虚に反省しながらも、決して自分は並だと思ってはならない。


④完璧という名の限界成長点

『"完璧とは、ダメになる過程の第一段階"ってことなんだ』(p88)

これはついついやってしまう。「よし、完璧」という具合に。
本書を通してこの言葉が一番効いた。同じようなことをどこかで読んだり聞いたりしたことはあったが、実際全然毎日意識できていなかった。日々未完成なものを並行させて仕事や生活をしている中で、自分が当初目標として定めていたものを完全に達成すると、その達成感に浸って終わりにしてしまう。"完璧"と思うことによる達成感は他の未完成なものに継続して取り組む原動力となるし、それがなければモチベーションコントロールも難しいのだが、やはり本質的には"ダメになる過程の第一段階"なのだろう。この辺りの精神的capacityを拡げていくのは一朝一夕では難しいが、要注意点として常に意識はしておこうと思う。


他にもいいこといろいろ書いてあったけれど、とりあえずこんなところにしときます。
あまり欲張ってもしょうがないので。また悶々としたときにでも読み直します。
 

2 comments:

Hash said...

これ僕も読んで、個人的には、興味を拡散させまくってもいいんだ、と安心したw

『夢をかなえるゾウ』にも近いものがあるな―と思った。このタイプの本は気負わなくていいよね。

Leolio said...

ほっとする本だよね。
こういう本は内容はそれほど深くはないけど、自分の人生を近視眼的に見てしまっているときなどに効くよね。

自分の人生を見る目のマッサージというとこだろうか。。

『ユダヤ人大富豪の教え』は読んだ?