Wednesday, October 31, 2007

21世紀の国富論

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21世紀の国富論 <原 丈人>

個人的にVCに対する興味は大きく、6月下旬に発行されてすぐに買った本。
スタンフォード大の経営学大学院と工学部大学院をともに修了した原さんは日本人ベンチャーキャピタリストの草分けとしてシリコンバレーを代表するキャピタリストのひとりとなった方。

今日本がアメリカに遅れてビジネススクールブームの真っ只中にいる一方で、原さんは非常にアメリカ的な(ビジネススクールやシリコンバレーのVC)環境で育ち、ビジネスをやってきたにもかかわらず、そこに染まることなく冷静に今の資本主義の弱点を指摘する。

内容は大きく分けて2つ。
一つは今の資本主義のどこが間違っているのかについて。
ここではROE至上主義的な経営のどこがまずいか、ヘッジファンドの話、ストックオプション制度についての話、コーポレート・ガバナンスのあり方などがわかりやすく、かつ本質を突いた形で展開される。
今日本でも起きているファンドによる企業買収のニュースなども見方が変わるかもしれない。

もう一つは、ポストコンピュータの技術を例に挙げてのこれから日本がどうしていくべきなのかという提言。
PUC技術について少し専門的な話も入り込んで本論からずれる部分もあるが、興味深い内容であり、最終的には本論にしっかりと帰着する。
同氏が国連機関と深く関わっていることもあり、国際関係についての議論もなされる。

この本は全体としてしっかりした基盤技術を大事にして、単なるマネーゲームに踊らされることなく資本主義を有意義な形にしようというスタンスがうかがえる。ビジネススクール、ベンチャーキャピタルという非常にアメリカ型の経歴をもつ同氏だが、基盤技術を大事にする姿勢を貫いていて、こういう人がこれからの日本にもっと必要になると思えた。

「国富論」というに値するかはわからないが、学生、ビジネスパーソン、政策関係者などすべての人が読む価値がある本だと思う。
是非ご一読を。

Tuesday, October 30, 2007

New Rich?? 

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①ニュー・リッチの世界 The New Rich World <臼井 宥文>

富裕層マーケティングをやってる臼井さんの本。
発想としては僕と近いものがあるかもしれない。
お金持ちになるための本ではない。現状を知る本。
いろんな生き方があると感じるかもしれない。特にパーマネントトラベラーというのは面白い。

とりあえずいいサービスを提供してお金を抜くなら富裕層からという感じだろうか。
金は社会をめぐるのです。
格差社会の是正という意味でもこの考えは正しいと思う。
富裕層はすばらしいサービスによって happy になるし、お金も社会を還流する。政府は税金上げるより、こういうビジネスをサポートした方がいいのかもしれない。

富裕層マーケティングといえば、三井物産出身の高岡壮一郎さんが立ち上げた 「アブラハム・グループ・ホールディングス」という会社がすごく気になる。
社長の生き方にも興味があるし、インタビューしてみたいものです。
個人的には5~10年後にはすごい企業になっている気が…

ABH
http://abraham-holdings.com/index.php

②日本人のしきたり―正月行事、豆まき、大安吉日、厄年…に込められた知恵と心  <飯倉 晴武>

この本が売れ出す前にいち早く買ったのはまさしく僕です。
日本人として社会に出るにあたってそばにおいておくべき1冊だと思う。
日本人は国際力を身につけ、世界にはばたいていく前にどれだけ自国の文化を知っているだろうか。 決して面白い内容ではないかもしれないが、必須の本だろう。
非常に勉強になる。
 

Friday, October 26, 2007

Maxwell ×devil

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新装版 マックスウェルの悪魔―確率から物理学へ <都筑 卓司>

熱力学の本。(とりわけ第二法則)
有名な本らしいけど、とりあえずブルーバックスで「悪魔」という単語に反応して読んでしまった。

この本は非常にわかりやすく書かれている。
物理化学をかじっていないとサッパリなところもあるかもしれないけど、まぁ多くの人が分かる。
確率的なアプローチも非常に一般読者向け。

なかでもおもしろかったのが、永久機関の話と、人類滅亡の話。
個人的に、p57の磁石を使った永久機関案には感動してしまった。
こねくりまわした永久機関案の多い中、非常にシンプルなつくり。
工夫次第ではやもすればちゃんと機能するのではと思えてしまう。
ニュートン力学で計算してみたくもなる。

自然界を作り上げる熱力学の法則。なんのことかさっぱりという人はまぁ一読を。

 

Tuesday, October 23, 2007

肝心なことは目では見えない

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①星の王子さま <サンテグジュペリ, 池沢 夏樹>

「星の王子さま」
実家にあった「星の王子さま」
いろんなグッズを何となく使っていた「星の王子さま」
昔、子供のとき読んだこの物語が再び大人になった自分の前に現れた。 珍しい青い表紙に惹かれて思わず買ってしまった。 池沢さんの訳は読むのは初めて。
さて、内容について… 詩のような、いろんな意味をもってるだろう物語なので、読んだ人各々が何かを得られればそれでいいんだと思う。だからここには個人的な感想は何も書かないでおこうと思う。 2006年でフランス版発刊60周年を迎えたこの物語の背景は戦時下。物語に出てくる各キーワードを国際情勢的なものや政治的な問題に結びつけた解釈もいろいろなされているが(…*)、こうした解釈を一切何も読まずに、心を無にして読めたのが良かった。

*3本のバオバブの木はドイツ、イタリア、日本の象徴という解釈など

②Three Great Plays of Shakespeare  <William Shakespeare>

・Romeo and Juliet
・Macbeth
・King Lear
の3本だて。
マクベスとリア王のストーリーはどんなんだっけな?とふと思ったのがきっかけで読んでみた。
この本の英語は平易で、英語がダメな人でもわりとサラリと読める。
そして、ストーリーの概要もサラリと掴める。
原著は読んだことないけど、ロミオはそんなに簡単に恋に落ちてしまったのか?!
簡易版ならではの展開の速さにビックリ。
マクベスは予想以上に面白かった。
 
③自由への扉 <高橋 歩>

素敵な本。
愛する人と自由な人生を。
 

Monday, October 22, 2007

simple な理論を学ぶ

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①戦略的な考え方が身につく本 <西村 克己>

「戦略なくは座して死を待つがごとし」
戦略を知っていたからといって勝てるわけではないが、戦略を知らなければ戦略に長けた相手にはいとも簡単に負けてしまう。防御のために必須である様々な戦略をコンパクトにまとめた本。
個々の内容は詳しくないが、お手軽なので空いた時間にちょっと読むぐらいにはいいかもしれない。

孫子の兵法、ランチェスター戦略はおもしろい。
特に、二眼レフ構造の戦略は身近なところで多く採用されている。
街を歩いていてこの本に出てきた内容を思い出すこともしばしばだ。

②図解入門ビジネス ゲーム理論の基本と考え方がよーくわかる本
 ―ケーススタディ・ビジネスゲーム理論入門 <清水 武治>

昔受講した大学の授業でのゲーム理論はあれほど放置していたのに、じっくり読んでみるとけっこう面白い。
代表的なゲームはビジネスの現場のみならず、日常生活で誰しもが経験したことがあるようなものばかりだ。したがって、それらの余分な枝葉を取り払って単純化した状態での問題解決をさぐるのは有意義なことだと思う。
単純化されたケースなら、プレイヤーがどういうオプションをとればいいのかは分かりやすいが、現実の問題や交渉はもっと複雑で要素も多いように思える。しかし、突き詰めていくと、一番クリティカルな部分が、代表的なゲームと同じしくみになっているということはよくある。そういう意味でも、ゲーム理論はただの場合分け遊びではなく理論として役立つものだと思う。
MBAやロースクールでも重要視されているゲーム理論。この本では基礎の部分に触れた程度だが、もう少し突っ込んだ勉強をしたいと思う。そして、ゆくゆくは交渉の場でも使えるような思考回路が頭の中にできれば…とも思う。

秀和システムの本は、「よ~くわかる」のコピーや表紙の見た目が少々野暮い感じだが、内容の分かりやすさという点では、どれもなかなかだ。その分野の1冊目の本という場合なら選んでも損はないと思う。そして出版社としても、そういうコンセプトで出しているシリーズだと思う。
 

Sunday, October 21, 2007

ゴーズ・トゥ・ハリウッド

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①七回死んだ男 <西澤 保彦>

ロジックパズラー。
筆者はSF的な条件をきちっと定義した上で、本格派のミステリーを書いている。
今回のSF的条件。 それは主人公の「体質」にある。 主人公は同じ日を何度も繰り返してしまう体質の持ち主で、その体質を利用して、祖父の死を防ごうと奮闘する。 …が、なかなか防げない。そこにからむのは複雑な因果律なのか、それとも……
仕組みはわりと簡単に予想がつくかもしれない。 僕自身、比較的早く気づいた。 しかし、その仮説によって出る矛盾をいかにやりこめるか、最後に思わずなるほどと言って読み返したくなるような仕掛けがあり。
「時の螺旋」モノはけっこうあるけど、なんだかすんなりとその設定を受け入れてしまう作品。 読みやすい。


②東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~ <リリー・フランキー>

読んだのはけっこう前になるけれど、リリー・フランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッド氏に敬意を表して…
リリーさんの本にしては、真面目だ…という印象を受けると共に、これがリリーさんの正体なのか、とも思える作品。

リリーさんは昔から好きだった。POPEYEに「おでんくん」や「リリー君」風の絵と共に、異様な文章を連載していた頃は、POPEYEの最も楽しみなページになっていた。この人の下ネタで育ったところもある。なんだろう…この人はそんな簡単には語れない。真面目な顔してクレイジーなこと言ってるけどその裏に一種の悟りを感じるのは僕だけだろうか。まったく偉人です。

そんなリリーさんには、本名?のリリー・フランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッドの他にもいろいろな名前が。
○リリー・フランキー・ゴーズ・トゥ・マニラ
○リリー・フランキー・ジェット・シティ
○エルビス・ウッドストック
○神楽坂五郎
○犬田ケン
○ユリ・サリバン

全く review になってないけど、とりあえず、限りなく奇人に近い偉人というところです。
 

Saturday, October 20, 2007

国家とか若者とか

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①国家の品格 <藤原 正彦>

世な中に数多く出回った本。
書き手が数学者というのが面白い。

「論理」と「情緒、形」のバランスを考える。
筆者は今の日本、そして世界がおかしいのはは論理至上主義のほころびだと考える。
それを治すのは日本人が伝統的に大事にしていた情緒や形というものであり、すこし言い過ぎだろというようなレベルでこれらの大切さを説いている。
しかし、「論理が悪」という誤解だけはしないように気をつけなくてはならない。どちらが一方的に大切だといっているのではなく、あくまでもバランスの問題だからだ。

賛否がかなり分かれそうな内容だが、アメリカ式のやり方が急速に日本にも拡がる中、多くの人がこのような本を読むこと自体には非常に価値があると思う。
文章は敬体で柔らかく、読みやすかった。

②他人を見下す若者たち <速水 敏彦>

かなり乱暴に、筆者の主観を書き連ねた本。
それが全体の印象。

まず、全体として言っていることは、
旧エリート型の他者軽視とは違い、弱い自分を保護するために働く機能である仮想的有能感とリンクした、新しい他者軽視が現代社会の若者を中心に急速に広まっているという内容。

旧エリート型他者軽視というのは、本文を抜粋すれば、
「青年は高い理想を尺度として、他人や一般社会を眺める。その高い理想にくらべると、他人の能力や社会の現実はあまりにも低級で汚れたものを感ぜざるを得ない。そこで、青年は、それらを軽視する。ところで、外に対する軽蔑は、おのずと相対的に、自尊・自負の情を誘発するのである。」
というものだ。
一方で、著者の論じるテーマは、現実的な有能・無能、状況、思想などとは関係なく、個人が無意識に自己防衛的に発動させる仮想的有能感。そしてそれとリンクして起こる他者軽視は、旧来のものとはまったく別の機構で起きているというわけだ。

着目したところはおもしろいと思が、その仮説を書いているだけで、真実性はまるでない。そのことについては著者も何度も注釈を入れているが、本にするには時期尚早だろう。

ちなみに、題名もキャッチーなものにしてあるが、この題ではどっちの他者軽視なのか読んでない人には分からない。というか、多くの人は、旧エリート型の他者軽視を思い浮かべるだろう。
データを集めて、もっとうまい切り口で書いて、リベンジしてほしいものだ。次に期待。
 

Friday, October 19, 2007

The Devil's Dictionary

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① 新編 悪魔の辞典 
 <アンブローズ ビアス, Ambrose Bierce, 西川 正身>

知る人ぞ知るアンブローズ ビアスの遺した名著。
自身も奇怪な人生を送ったビアスの独特な目線での風刺で、今の日本で新刊として出版されれば叩かれること間違いない内容。
シニカルなこの辞典の全てでその面白さを理解するのはなかなか難しい。というのもまず一つにボキャブラリーの問題があって、かなりの水準が求められると個人的には思う。 また、ビアスの時代や当時の社会事情を熟知していないと風刺の狙いがどこにあるのかわからないといったケースも多い。

誰にでも理解できるだろう簡単な定義の単語をいくつか引用して紹介すると…

<カスタード>
雌鶏と牝牛と料理人とが悪意をもって共謀し、それによって作り出した忌まわしい物質。

<熟慮>
バターが塗ってあるのは果たしてどちらの側であろうかと、自分のパンを仔細に点検してみる行為。

<忠実>
いままさに裏切られようとしている人びとに特有の美徳。

<プラトニック>
ソクラテスの哲学に関係ある。「プラトニック・ラヴ」とは、不能と不感症との間の愛情に対して愚か者がつけた名称。

アンブローズ ビアスという人物自体が非常に興味深い。そしてこの書物が岩波文庫というのも面白い。 興味のある人でボキャとシニカルな笑いに自信のある人は是非一読のほどを。


② The Devil's Dictionary (Dover Thrift Editions) 
 <Ambrose Bierce>

①の英語版ペーパーバック。
表紙がイカしてるため日本語版と同時購入。 軽くて読みやすい。 …が、日本語でも笑いどころがわからない単語も多いのに、英語では真に楽しむのはなかなか難しい。。
先に日本語版を読んだので、わかるやつもけっこうあったが、はじめから英語版を読んだらおもしろくなかっただろう…
将来、英語のジョークもすいすいわかるようになったらまた読もうかと思う。
 
 

Thursday, October 18, 2007

仕事?

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若者はなぜ3年で辞めるのか? 年功序列が奪う日本の未来 (光文社新書)         しごとっち―バンダイ的スター誕生!

①若者はなぜ3年で辞めるのか? 年功序列が奪う日本の未来 <城 繁幸>

よく売れた本。
著者の年齢は微妙なところだが、けっこう冷静に「若者」の事情を見れているのかもしれない。
薄い1冊で、伝えたいことがはっきりしている気がする。
この本は若者が読む本ではないと思う。ふむふむ、そうそう、と思うぐらい。肝心なのは、もっと上の人、著者よりも上の人に読んでもらうことだろう。若者は「昔」から連続的につくられてきた今の社会を学ばなくてはならないが、上の人たちは、逆に「若者」を学ばなくてはならないと思う。そうすることで、GAP は埋まっていくのだろう。


②しごとっち―バンダイ的スター誕生
 <自分ブランド製作委員会  松永真理>

あえて、この2冊を抱き合わせにした。というのも、この本は「若者」にワクワク感をもたらし、 vitality があふれ出しているからだ。

構造としては、②のような本で夢を持った若者が会社に入って失望していく。そしてその様子を述べたのが①。
そのような状態で再び②に感化されて、多くの若者が仕事に対する motivation を高められるような社会は現実として存在するのか?はたまたこれからそうなっていくのか?いかに…
 

仕事に楽しみがあれば極楽だが、義務に変われば地獄だ。
By Maksim Gorkii

Wednesday, October 17, 2007

歴史を感じる名作たち

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①人間失格 <太宰 治>

「恥の多い生涯を送って来ました。」 に始まり、 「ただ、一さいは過ぎて行きます。」 と終わっていく… 太宰の実人生を元にした壮絶な作品。 読む人それぞれいろいろなことを思うだろう。 わからないようで、実はすごくわかる。 そんな感覚を抱くかもしれない作品で、読むとなんだか瞑想にふけってもみたくなる。
「桜桃」も同時に読んだ。

②変身 <フランツ カフカ, Franz Kafka>

文学史に残る傑作といわれるカフカの変身を読んでいないのも惜しいと思われて、手にとってみた。 冒頭の
「ある朝、グレゴール・ザムザが不安な夢からふと覚めてみると、ベッドのなかで自分の姿が一匹の、とてつもなく大きな毒虫に変わってしまっているのに気がついた。」
はあまりにも有名なフレーズ。 こんな状況設定の下、人間の不安と孤独を描いた作品。 結末を知らなかっただけに、どうなるんだ、どうなるんだ…と読み進めたが、なんとも後味の悪い終わり方。
「ある戦いの描写」もそうだったが、カフカの文学はなかなか、今の文学にないような独特の風合いをもっているという感じだった。


羅生門,鼻,芋粥 新装版 <芥川 龍之介>

芥川龍之介の比較的初期の短編集。 羅生門、鼻、蜘蛛の糸ぐらいしか読んだことがなかったので、興味半分、教養のためというのがもう半分で手にとってみた。
contents
①老年
②ひょとこ
③仙人
④羅生門
⑤鼻
⑥孤独地獄
⑦父
⑧野呂松人形
⑨芋粥
⑩手巾
⑪煙草と悪魔
⑫煙管 
⑬MENSURA ZOILI
⑭運
⑮尾形了斎覚え書
⑯日光小品
⑰大川の水
⑱葬儀記

時代背景や文学的知識の不足により、なかなか解釈が難しいものも含まれていた。 しかし、テーマが明確で読みやすいというか、短い文章の中に芥川的感性が詰め込まれてあるのを感じることはできた。 中でも、⑨芋粥、⑪煙草と悪魔、⑫煙管、⑬MENSURA ZOILI はなかなか面白かった。 英文科の卒業だけあって、この時代にもかかわらず、文章中で英語が部分的に使われることもあり、驚いた。 あとは、意外にも、「夢オチ」に近いような作品があることにもビックリ。
 

Tuesday, October 16, 2007

技術倫理とかMcKinseyとか

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transfer
mixi でレビューしてた本の一部をこっちにも載せておこうかと思いまして、前回の entry に続いて、しばらく本のレビューをします。

          


①先端技術と人間―21世紀の生命・情報・環境 <加藤 尚武>

“technology × human”
21世紀的な倫理問題を取り上げた本で、大きな3つのトピックは「生命」「情報」「環境」。
NHK出版でもある本書の良いところは、このような大きな問題、そして全人類に関わる問題を非常にわかりやすく提起している点。
深く掘り下げる本はもちろん必要だが、多くの人の心に問題を投げかける本がなくてはいけない。本書はまさに後者であり、多くの人に読んでもらいたい。マスコミがはやし立てる傾向がある問題を冷静に、そして過度のバイアスをかけずに伝えている点も良いと思う。


②マッキンゼー式 世界最強の問題解決テクニック
 <イーサン・M・ラジエル, 嶋本 恵美>

世に蔓延するマッキンゼーの広告代わりの本(の一つ)。
この本は仕事に関する様々なケースを練習問題を通して学べるとうになっている。しかし、解説はというと、コンサルティングファーム(しかもマッキンゼー)という特殊な場所での仕事をベースとしてもので、多くのビジネスパーソンの仕事に汎用可能かどうかというと謎。
また、汎用可能だとしても、本書の練習問題(特に前半)が活きてくるのはある程度のレベルのビジネスパーソンだろう。
後半に関しては、誰が読んでもためになる内容だと思う。
まぁしかし、ファームの宣伝の域を出ない。
 
 

Monday, October 15, 2007

世紀の scientific horror シリーズ

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リング <鈴木光司>

「リング」シリーズの1作目。これだけだとただのホラー小説。
是非続きを。

らせん  <鈴木光司>

2作目。単なるホラーからサイエンティフィックな内容へと脱皮する。
人間と「新生命?」との戦いが描かれる。
ここまででも十分面白いが……次作抜きにはこのシリーズは語れない。。

ループ <鈴木光司>

衝撃の3作目。シリーズはこのループで絶頂を迎える。鈴木光司のもつ壮大な世界観が存分にあらわれている。
この手の話は僕は「怖い」と思う。リングでの化け物「貞子」にはこういう怖さはない。もしかしたら僕たちの世界もそうであるかもしれない恐怖。。そんなものを感じずにはいられない…

バースデイ <鈴木光司>

完結編の第4作。ループで絶頂を迎えたシリーズはバースデイで急激に収束する。
個人的にはあってもなくてもよかったのがこの第4作。
しずかにシリーズを読み終えたい人に。1冊全体が epilogue です。



僕がこのシリーズを読見始めたのは中学だか高校だかの頃。
あの頃、「らせん」の面白さは bio に対する興味が芽生える大きな要因となった。そして月日が経って「ループ」を読んだときには世界観が変わりかけた気がする。それほどの衝撃だった。

大人になった今でも、鈴木光司のこのシリーズはハッキリと僕の脳内に焼きついている…

読んでない方、または、内容が大幅にデフォルメされた映画版しか観てない方はぜひこの名作を手にとってみてはいかがでしょうか。

Sunday, October 14, 2007

LEOLOG ~From The Earth~ 

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Welcome!!
This is Leolio's personal weblog.
I will write freely what I think about books, products, musics etc...
I'm a man with wide interests, for example, business, new technology(especially biotech), fashion, classical music, jazz, architecture, art, interior design.... and more.

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Blog 開設! 気ままに書いていこうかと思います。


▽mysterious plants in Thailand
















▽sunset in Pattaya beach in Thailand

















open 記念ということで今秋の写真を。。