Sunday, June 29, 2008

夏宵 × Bill Evans

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「夏宵」…春宵や秋宵は一般的な言葉として辞書にも載っているが、夏の宵というのはそれほど趣がないとされてきたのか辞書にはない。ただ、僕は夏宵が好きだ。昼の暑さを忘れさせるような夜風が吹く夏の夜には心が落ち着く。特に夕立が来ると一気に暗く涼しくなり落ち着いた時間となる。梅雨のじとっとした雨とは違い、家の中から観て聴く夏の夕立にはセンチな気分にさせられる。
そんな夏宵に最高なのが jazz.
最近久しぶりに disk を買ったので、今日は僕の好きな Bill Evans の disk をいくつかここに載せておこうかと思う。Bill のピアノは繊細で、あれだけセンチな音を出せるピアニストはあまりいない。黒人主体の old jazz の良さとは一味違って、涼しげな夏宵をつくり上げてくれること請合い。
Bill のファンは五万といるけど、いいものはやっぱりいい。人がどうとか関係なくね。


  
1)Waltz for Debby
2)You Must Believe in Spring
3)Portrait in Jazz

  
4)Explorations
5)I Will Say Goodbye
6)Interplay

  
7)Undercurrent
8)The Complete Village Vanguard Recordings, 1961
9)Time Remembered

  
10)Bill Evans at the Montreux Jazz Festival
11)Moon Beams
12)Bill Evans Alone

CD借りてPCに入れてたものも買い直そうかなと画策中。
ちなみに Bill Evans は相当数の disk がありコンプリートとなるといろいろな意味で無理そう…
 

Tuesday, June 24, 2008

Dubai - Part.4 Architecture#2

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"The Opus"
cube型のこいつは光るとまるで浮いているように見えるらしい。
面白すぎる。派手だけど好きです。こういうの。一見奇をてらっただけのようにも思えるが、本気で造っているわけだからもう感服してしまう。
<official site> も感動。 やばいです。
http://www.theopus.ae/
是非音出して、Flashの方で堪能して下さい。
時間があるときに隅から隅まで読みたい。音楽もいい感じ。
ぼわっと光る。とにかく official site を見て下さい。

お次は化け物ビル。想像すると何とも気持ち悪い…が、revolutionary
"The Rotating Tower"
これにも驚く。去年ぐらいに一時メディアを少し騒がせたが、回転する高層ビルとはこれのこと。
イタリア・イスラエル系の建築家 David Fisher によるもの。
68Fにも及ぶビルの各フロアとフロアの間に風車が挟まっている Eco なビルでもあるらしい。
思わずウソだろ…と言ってしまうような驚きのPJTで、これまた脱帽。潮風で回転軸が錆びてポロっと倒れないことを祈ります。
中にいる人はどう感じるのだろうか。スピードにもよるだろうけど景色がぐるぐる回るのも落ち着かなさそうだ。まぁ地球も回っているが…

古いですがWSJにも載ってます。
http://online.wsj.com/public/article/SB117625795099465923-WFaTx4FSsy1oW4x8lS4eK1518io_20070418.html?mod=regionallinks

ドバイは建築に関しては非常に面白い。風情や趣というものはないけれど、誰もやらないような夢のPJTが現実になっていく様子は一度この目で見る必要がある。"The Opus"ができるぐらいのときにドバイに足を運ぼうと思う。バブルがはじけて建設途中で頓挫するということがなければいいが…
タイに行った時は、建設途中で資金難に陥ったのか骨組だけ造って放置された高層ビルが何本もあった。滑稽であると同時に気味も悪い。ドバイが世界で一番気味の悪い Ghost Town になるか、それとも世界随一の超近代都市になるか。しばらく見守りましょう。

Monday, June 23, 2008

Dubai - Part.3 Architecture#1

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ドバイといえば上の写真の"The Burj Al Arab"が有名だろう。ホテル建築としては世界最高の321mという高さにもかかわらず、この帆型デザイン。中身も全室 suite で、7つ星ホテルとまで言われるほどらしい。
ということで、今日はドバイの建築&建築予定物を check

ドバイの湾岸エリアは凄い勢いで開発が進んでいる。よく世界の建機の何%はドバイで動いているなんて揶揄されているが、とにかく高層ビルがボンボン建っている。新宿や大手町を思い浮かべると何やらドバイにも四角いビルが立ち並んでそうだが、前回の entry 同様、どうもドバイでは人目を引くことが大事らしい。奇想天外な建造計画が次々と実行に移される。概して派手。しかし概して子供の夢が実現されるような面白さも含んでいる。

まずはシンプルに高さの追求。
"Burj Dubai"はドバイの夢。現在建設中だが、すでに世界で一番高い建造物となっている。高さ競争のために完成時の高さを公表しないという徹底ぶり。700mに迫る勢いだが、800mというのもありうるのではないかという噂もある。いやはや、恐れ入ります。地上800mの窓を外から拭く人の時給はいくらになるのだろう… 考えるだけでも恐ろし。
こちらが <official site>
http://www.burjdubai.com/
sound つきで美しいので必見です。
人々は昔から空を目指そうとする。僕が生きている間には無理だろうけど、いつかはラピュタみたいな空中都市ができるに違いない。下から積み上げるよりは浮かした方がいいってね。

"Damac Heights"
2011年頃に完成予定。これもなかなか高い(約460m)。ただ、このすらっとした曲線的なフォルムがなかなかいい。
<official site>
http://www.damacproperties.com/new/main/html-v3/Damac-heights.asp

ドバイの夜景を暫し見て、さて、独創的なPJTは次 entry へ続く。
 

Wednesday, June 18, 2008

Dubai - Part.2 奇天烈開発プロジェクト

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本日はドバイのおかしなプロジェクトについて。
なんといってもドバイで有名なのは Palmシリーズだろう。
上の image はパーム・ジュメイラ(Palm Jumeirah)
ヤシの葉というよりは気持ち悪い多足の古代生物のように見えるのですが…

政府系ディベロッパーの Nakheel社によるプロジェクトで、埋立地にマンションやホテルが建設されている。ジュメイラは総工費20億ドル、埋め立てに使った土砂は1.1億㎥という恐ろしいプロジェクト。その大きさ故、地球外からも肉眼で判別可能らしい。
こんな感じで埋めていくわけ。発想は夢に満ち溢れたもの。実現するところが半端ではない。

もちろん Nakheel社の Palm プロジェクトはジュメイラだけではない。以下のプロジェクトも進行中。
   The Palm Jubel Ali

    The Palm Deira

    The World

とくに最後の The World なんかは凄い。笑える。
なんと島は買えるらしい。ミニチュアしかし十分に大きい世界で暮らしてみるのもまた一興。

おまけでもうひとつ。世界初の海中ホテル "Hydropolis" の image
もう何でもアリ。


<About Developer "Nakheel">
~QUOTE~
As Dubai's premier development company, Nakheel has changed the very texture of the city with landmarks of ingenuity, distinctive residential communities, unique retail offerings and unprecedented investment opportunities. With groundbreaking research and thought leadership, Nakheel's focus is on building icons that embody innovation and progress, creating a legacy of value for generations to come.
With more than 800 employees, Nakheel currently has 16 major projects worth more than US$30 billion under development. Nakheel's portfolio includes the iconic and internationally acclaimed waterfront developments The Palm, The World and Dubai Waterfront. Once complete, Nakheel's developments will add more than 1,500 km of beachfront to the Dubai coastline, and will spread across more than 30,000 hectares of the city.

Featuring a strategic alliance of exceptional partnerships, Nakheel's success is synonymous with the evolution of Dubai; success that has drawn residents, tourists and investors to the fastest growing city in the world.

February, 2006 saw the formation of Nakheel Hotels & Resorts, a new hotel and resort investment company. It will not only oversee the development of hotels in the UAE, such as Trump International Hotel & Tower, The Palm Jumeirah, but also the development and acquirement of hotels and resorts internationally, commencing in Russia, the Middle East, Africa, and Asia.
~UNQUOTE~

from : http://www.palmsales.ca/company/developer.htm

project movie

Dubai ''palm Island'' - More bloopers are a click away

次回はドバイの建築に focus 予定。これまた過激です。
 

Tuesday, June 17, 2008

Dubai - Part.1 沸騰都市は短命か

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この地図を見て一瞬でドバイを思う人はもうとっくにドバイに夢やお金を投資しているかもしれない。
この地図の真ん中の国は UAE(United Arab Emirates)で、 海岸線に目を凝らすと"Dubai"の文字が見える。
近年、ドバイ、ドバイと世界の発展の中心はドバイであるかのように注目され、投資のターゲットとしても人気で、まさにバブル状態となっている。僕の周りでもドバイの話がポツポツと出るので、今日はドバイについてメモしようと思う。
僕自身、ドバイに興味がないわけではない。関心を持っている点は2つ。
 ①急速に変化する都市と経済は今後どうなるか。
 ②revolutionary なプロジェクト、建築の数々。


①栄枯盛衰は世の習い

ドバイが今後どうなるか考える前に、ドバイの基本情報、歴史についておさらい。
ドバイは UAE を構成する7つの首長国の一つで、基本情報は以下の通り。
Area : 3,885 km²
Population : about 1.2 million
Timezone : (UTC) +4

真珠がよくとれた小さな漁村にアブダビからマクトゥーム家が移住してきたことがドバイの始まりであり、これは19世紀前半のこと。真珠産業は衰退してしまうが、英国統治の下、土地の利を生かして中継貿易港として栄える。近くにはオイルでは非常に有名なアブダビがあるが、ドバイもアブダビに続いて油田が発見され、オイルマネーで国は潤った。
ところが、アブダビとは違い、ドバイの原油埋蔵量は多くはなかった。そこで、1980年代の半ば頃から石油依存経済からの脱却を図るべく、産業を多角化していった。現在では数値上ではすっかり石油依存経済ではなくなり、2004年の時点で GDP における石油部門の割合は6%まで下がった。2010年には石油部門の割合をゼロにするという大目標まで掲げられている。(これは決して、油を掘るのをやめたのではなくて、相対的な話。GDP の伸びが凄まじい。)

それでは産油国としてのドバイは一体何者に変わったのだろうか?
ドバイの目指す姿が柱とするのは「貿易・金融・観光」だろう。
中継貿易都市の特色を活かして1985年にジュベル・アリ・フリーゾーン(JAFZ)と呼ばれる経済特区を設置して企業を誘致したことで、人・金・物がよく動くようになり、商業都市としての発展の芽を出した。
JAFZには地理的な advantage に加えて、安価な賃貸用地、優遇された税制などをテコに次々と外国資本の企業が進出し、それとともに港湾インフラも整備された。まさに商業都市としては正のスパイラルを生んでいったわけだ。商業が盛んになると、金融都市としての機能も次第に大きくなっていき、今では世界中の金融機関がドバイに進出している。
最後の柱である観光産業には目を見張る。おかしな巨大施設(島までも)を次から次へと建て、リゾート地としてもかなりプレゼンスを高めている。ターゲットはアッパー層であり、高級なイメージが定着している。まさにバブリー。



さて、ここまではドバイの急速な栄えっぷりを簡単に述べたわけだが、当然問題もある。まずは僕が注目している fact を6つ。
(ⅰ)JAFZ 進出企業の約8割が商業・貿易業であり、JAFZ 設立当初の狙いである製造業の誘致があまりできていない。
(ⅱ)投資も投機的、観光者・移住者もアッパークラスとあって、定着性に欠ける。
(ⅲ)経済的便宜のため、宗教色が薄い。また自国文化もあまりない。
(ⅳ)人口の9割近くが外国人であり、出稼ぎ労働者も非常に多い。
(ⅴ)なんだかんだ言って、近年の大規模な開発の原資はオイルマネー。GDP に占める割合が少なくなっても、近年の原油高で相当潤っている。
(ⅵ)個人的には見ていて面白いが、やっていることがとち狂っている。バブル以外の何物でもない。

要は「不安定」極まりないのだ。
自国産業は育たず、地の人も少ない。人口はアッパーと出稼ぎに2極化し、それをつなぎとめる文化も宗教もない。おまけに一時のオイルマネーを振るって行き過ぎた開発を無計画に進めている。
そんな気がしてならない。
ドバイという都市は一つの首長国にして、リスクの高い一企業のような印象を受ける。並の国や州とは違って都市全体でビジネスをやっているような感じがする。
今後どのように発展するのか、もしくは崩壊するのか…
目が離せない。

<御参考>
http://www.dubaicity.com/About_dubai/About_dubai.htm

https://www.cia.gov/library/publications/the-world-factbook/


②とち狂ったプロジェクト及び建築たち。

夜も更けてきたので、今日はこの辺で。次回に続く。
 

Tuesday, June 10, 2008

CHANEL MOBILE ART

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シャネル モバイルアート展 in Tokyo(2008/5/31~ 2008/7/4)
@国立代々木競技場 オリンピックプラザ内

公式site : http://www.chanel-mobileart.com/

美しい site です。かなり。

excite × Mobile Art in Tokyo : http://mobileart.excite.co.jp/

行きたかった。正確に言うと「どうも行けそうにない」。
まだ始まったばかりだというのに。

start の2週間ぐらい前からチェックしていたのだが、チケットを取らなかったのが甘かった。
どうも現時点で土日はすでに sold out とのこと。滝川クリステルが一足先に観にいった様子が全国に配信されたときには完全にチケットLong が正解だった…
どなたか下さいなw

このモバイルアート展は2月27日に香港で start し、東京、ニューヨーク、ロンドン、モスクワと巡って、パリで幕を閉じるという巡回展。
内容はと言うと、20組のアーティストがシャネル伝統の“キルティングバッグ”からインスピレーションを得て、自由に作品にしたものの展示。上述のTV番組を見た限りではかなり面白そう。
さらにこの展示では移動式パビリオンにも注目が集まっている。イラクはバグダッド出身の脱構築主義女性建築家、Zaha Hadid のプロデュース。巡回展ということで、安易に「移動式美術館か」などと発想してしまったのだが、こんな話がある。

「Hadid が構想したのは、移動する美術館ではなく、アーティストたちの作品が“居住している”空間でありながら移動可能なカプセルの役目も果たすスペース。例えば、飛行中のUFOがアジアや米国、欧州の大都市に着陸して数週間滞在しているようなイメージの空間」
仏ボザール誌のファブリス・ブストー編集長談。(キューレーターも務める)

うむ。。
何はともあれ、行きたいです。実に。

そもそも無料のチケットを1人6枚まで ok にするなんて…
関東圏の人口と収容人数考えたらもうちょっとマシなプランはできなかったのか。
学びとしてはアンテナ張れってことですかね。
以後、アンテナ張り巡らせてナンカイイモノ見つけたらすぐに do するようにしよう。

参考:Zaha Hadid official site
http://www.zaha-hadid.com/

この site もなかなか面白い。
 

Monday, June 02, 2008

ナス化を防ぐ

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本日はとりわけゆるい話題。
皆さんはバナナを買って食べるまで、どのような管理方法をとってますか?

昔、旅行から帰ってきたら買ってもいないナスが家にあるという珍事が起きた。

しかしよく見ると、それは全身真っ黒になったバナナ。それ以来僕はバナナが黒ずんでいく様を「ナス化」と命名し、不可逆化学反応であるかのように捉えている。
一般にバナナは黒い斑点(シュガースポット)が現れ始めたときが食べごろとされているが、そもそもなぜ他の果物に比べてこんなにも「黒く」なるのか。

答えはバナナに含まれるタンニン。タンニンはポリフェノールの一種で、これまた総称。タンニンと称される物質は数多くある。バナナをぶつけたり、強く持ったり、すなわち人間で言えば打撲のようなダメージを与えると、その部分の細胞壁が壊れる。すると酸化酵素(総称:ポリフェノールオキシターゼ)とタンニンが反応し、黒色化反応が起こってしまうらしい。ちなみにポリフェノール類を含む組織には、これを酸化する酵素が一般的に含まれているので、両者が反応しないような条件がよろしい。ただ一点、黒くなったからといってよほど腐っていない限り食べても害はないらしい。


さて、バナナの「ナス化」が早く進んでしまうのは打撲させたときだけではない。冷蔵庫に長期間入れた時も該当する。
僕は常温のバナナより冷たいバナナの方が delicious だと感じるタチなので、ある程度熟したら冷蔵庫へ入れるのだが、あんまり長く入れていると全体的に皮が黒くなってくる。これは「低温障害」が起きている証拠。代謝機構の調節不全でやられてしまっている。したがって長期間冷蔵庫に入れるのは禁物。


以上をまとめると、以下の管理方法が望ましい。

バナナを買う(持ち帰る時は優しく)
⇒1本1本に切り分けるなどしてバナナ同士の pressure を抑え、ダメージを減らす。
⇒柔らかい場所にそっと置く(もしくはバナナスタンドに吊るす)
⇒シュガーポイントが現われてきたら食べる分を冷蔵庫へ(僕の好み)
⇒冷蔵庫内で放置せずに食す 
(完)

*皮がかなり黒くなっても、打撲による黒さと、自然に皮の部分でタンニンと酵素が反応したことによる黒さでは意味が違う。前者では上述の通り、中身も黒くなっているはず。後者だと、機をよほど逸しなければ中身はキレイ。

*世にはバナナスタンドなるものが売っている。バナナをそのまま置くと、自重で接地面が痛むと考えられるのでそれを避ける目的。あとは、もともとぶら下がっていたものだからそうやって保存したいという心理的目的。(まぁ僕はもっていませんが。)


バナナについて今後 entry することもおそらくないだろうから、ついでにバナナの栄養的価値について。
ポイントはカリウムとビタミンB6、それからフラクトオリゴ糖による腸内環境の良化。
また、バナナの抽出液をマウスに与えたところ、マクロファージの活性を高め、腫瘍壊死因子(TNF)が多く生産されたという報告もあるらしい。ホンマでしょうか。

まぁ健康には良さそうです。