Monday, April 12, 2010

すごい会議

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すごい会議 <大橋禅太郎>

100SHIKIの田口さんが何度か取り上げていたので購入。
大橋さんの著書は初めて。
見た目・題名から何だか軽そうな雰囲気なのだが、想像以上だった。非常にラフな文章で、疲れる要素はゼロ。もちろん内容も多くはなくて、人によってはボられた感覚さえ抱くのでは?
と、ここまではあんまりなことを言ったが、シンプルすぎることが功を奏し、意外に数点しっかり頭に残った事項があったので結果オーライといった感じだ。

本書の内容は、著者のエネルギッシュな半生(ここは完全な自伝)と、その中で、とあるメンターに教わったミーティングの方法についてだ。後者の方がまさに本書題名の由来であり、非効率な会議、アクションに繋がらない会議を簡単に良くする方法なのだ。以下、数点、もはや僕にはこれだけ!という内容をメモしておく。

・ダメな会議の95%の時間はコメントの応酬。そこで、発言を3つの区分で統制してみる。「明確化のための質問」か「代替案の提示」か「リクエスト」だ。(p76辺り)
→これはかなり痛感。実際、建設的でないコメント交換多すぎ。参加者の意識の低さもあるのだが、こうやってルールを作ってしまうのは極めて効果的だろう。これを長老方参加の会議に適用するのはかなり至難だが…

・会議の後にはコミットメントリストを。誰がいつまでに何を達成するかというToDoリストのことだが、面白いのは、進捗管理の方法。目標に対して進捗xx%というありがちなやり方ではなく、「このままいくとスケジュールどおりに終わるか?でないとすれば何日遅れるか?(または早く終わるか?)」を記録・updateするというもの。スケジュールどおりなら"0"、3日遅れそうなら"-3"といった具合。他のメンバーも事前に対策が立てやすい。(p82辺り)
→ToDoリストを設定しても、現実はそのスケジュールどおりにはいかないもの(本当は何が何でもやるべきなのかもしれないが…)。そんなとき、期日になって、「せーの」で蓋を開けてみれば、全然終わってませんでした、なんていうメンバーがいると、チームとしてのアウトプットは最悪。律速段階・ボトルネックのマネージがプロジェクト管理では重要。本方法は非常にシンプルだが、常にボトルネックを可視化・共有できる素晴らしい方法だと思う。

・議題の設定方法として、「なぜ」で始まる質問を避ける。「なぜ~~が上手くいっていないのか」では、担当者から「できない理由」が返ってくるだけ。始めから議題を「どのようにすれば~~できるか」にすべき。(付録p12)
→これはハイレベルなメンバーならば自然とクリアできる部分だと思うが、現実はそうとは限らない。「できない理由」の列挙で思考停止に陥るケースはよくある。会議に挑む前提・意識を変えるのに、効果的な方法だと思う。

・いまのやり方でできる目標は、目標と呼ばない。組織で目標を立てる一番のメリットは、目標を立てなければ起こらなかったことの実現可能性を最大化すること。(付録p33)
→大企業の業績評価制度、予実管理…等々に関連してありがちな問題。僕自身も痛感。ちょっと会社に麻痺していた感がある。本末転倒になってはいけない。この辺り、企業経営における本質の部分だと思う。深い。
 

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