Saturday, April 24, 2010

twitterで世界は変わるのか?

------------------------------------------------------------------------------------
LINK    LINK

①Twitter社会論 <津田大介>
②ツイッター 会社と仕事はこう変わる <日経BPムック>


twitter関連で話題になった新書と最近のムック。
内容は、メディアの変化とか、ビジネス上の事例とか。

twitterって何がそんなにすごいんだろうか?正直よくわからない。
確かにコミュニケーションの形としては新しいし、テクノロジーとインターネット時代が成し得た産物なのだが、人間の生き方にそんなに影響を与えるものだろうか?

これらの本を読んでみて、実際使ってみて、まだ「世界が変わる」ポイントに達していないのかもしれないけれど、それでも何となく予想の範囲を超えない気がする。つまり、世界をある程度変えるかもしれないが、僕の世界、人生を変えるものではない。
なんかじりじりと嫌な世界になりつつあるな、とは感じる。コミュニケーションと情報の流速が高まり、受発信するものの量が増えた。ただ、寿命はそれほど伸びていないし、1日も相変わらず24hだ。そんな中、どういう影響が出ているかといえば、存在の希薄化、表面化、均質化、これに尽きる気がする。人生における偶然、偏在の面白さ、そういったものが低下している。紙の地図1枚を持って人生賭けた宝探し、から、上空よりレーダーで見つけて効率よく回収、そんなような変化を感じる。つまらない。

なにもtwitterの出現に限ったことではないが、時代は「必然性」を高める方向に向かっていると思う。経済や金融の世界で「完全市場」なんて概念があるけれど、方向性としてはそれに近い。そういう世界って面白いのだろうか?ますます、流されずに「個」を強烈に打ち出していきたいと思うようになった。

最後に、確かにビジネスの世界ではtwitterによるコミュニケーションのしくみを理解しなければならないだろう。僕はtwitterで人生はまったく変わらないと思っているが、twitterで人生が変わると思っている人に対してはtwitterというチャネルが有効。もちろん考え方は人それぞれ。生きている環境、今までの境遇、全て違う。

さらに抽象的な話をすれば、「twitterで世界は変わると思っている人の集合体(=彼らの世界)は確かにtwitterによって変わる」という感じだろうか。あなたの世界は変わるだろうか?
 

Monday, April 12, 2010

すごい会議

------------------------------------------------------------------------------------
LINK

すごい会議 <大橋禅太郎>

100SHIKIの田口さんが何度か取り上げていたので購入。
大橋さんの著書は初めて。
見た目・題名から何だか軽そうな雰囲気なのだが、想像以上だった。非常にラフな文章で、疲れる要素はゼロ。もちろん内容も多くはなくて、人によってはボられた感覚さえ抱くのでは?
と、ここまではあんまりなことを言ったが、シンプルすぎることが功を奏し、意外に数点しっかり頭に残った事項があったので結果オーライといった感じだ。

本書の内容は、著者のエネルギッシュな半生(ここは完全な自伝)と、その中で、とあるメンターに教わったミーティングの方法についてだ。後者の方がまさに本書題名の由来であり、非効率な会議、アクションに繋がらない会議を簡単に良くする方法なのだ。以下、数点、もはや僕にはこれだけ!という内容をメモしておく。

・ダメな会議の95%の時間はコメントの応酬。そこで、発言を3つの区分で統制してみる。「明確化のための質問」か「代替案の提示」か「リクエスト」だ。(p76辺り)
→これはかなり痛感。実際、建設的でないコメント交換多すぎ。参加者の意識の低さもあるのだが、こうやってルールを作ってしまうのは極めて効果的だろう。これを長老方参加の会議に適用するのはかなり至難だが…

・会議の後にはコミットメントリストを。誰がいつまでに何を達成するかというToDoリストのことだが、面白いのは、進捗管理の方法。目標に対して進捗xx%というありがちなやり方ではなく、「このままいくとスケジュールどおりに終わるか?でないとすれば何日遅れるか?(または早く終わるか?)」を記録・updateするというもの。スケジュールどおりなら"0"、3日遅れそうなら"-3"といった具合。他のメンバーも事前に対策が立てやすい。(p82辺り)
→ToDoリストを設定しても、現実はそのスケジュールどおりにはいかないもの(本当は何が何でもやるべきなのかもしれないが…)。そんなとき、期日になって、「せーの」で蓋を開けてみれば、全然終わってませんでした、なんていうメンバーがいると、チームとしてのアウトプットは最悪。律速段階・ボトルネックのマネージがプロジェクト管理では重要。本方法は非常にシンプルだが、常にボトルネックを可視化・共有できる素晴らしい方法だと思う。

・議題の設定方法として、「なぜ」で始まる質問を避ける。「なぜ~~が上手くいっていないのか」では、担当者から「できない理由」が返ってくるだけ。始めから議題を「どのようにすれば~~できるか」にすべき。(付録p12)
→これはハイレベルなメンバーならば自然とクリアできる部分だと思うが、現実はそうとは限らない。「できない理由」の列挙で思考停止に陥るケースはよくある。会議に挑む前提・意識を変えるのに、効果的な方法だと思う。

・いまのやり方でできる目標は、目標と呼ばない。組織で目標を立てる一番のメリットは、目標を立てなければ起こらなかったことの実現可能性を最大化すること。(付録p33)
→大企業の業績評価制度、予実管理…等々に関連してありがちな問題。僕自身も痛感。ちょっと会社に麻痺していた感がある。本末転倒になってはいけない。この辺り、企業経営における本質の部分だと思う。深い。
 

Saturday, April 10, 2010

Vittel

------------------------------------------------------------------------------------

良く飲む水はVittel
http://vittel.jp/menu.html

特に硬水好きというわけでもなく(むしろ軟水のvolvicの方が好き)、オフィスの自販機にあるからというのが一番の理由だが、いつもボトルのデザインが秀逸だなと感じている。青、水色系のパッケージが多い中、この赤の強さって単純に面白い。あとは、色の量、パーツの配置と様々な要素が絶妙。
トップの画像は新しいパッケージデザインらしく、水色が加わったのと、Ca、Mgの情報要素が増えた。情報量と色が増えたために、これまでのシンプルな美しさが若干失われた気もするが、それでもなお、Vittelらしいデザインの良さは健在。

水のようなシンプルな商品であるからこそ、コンセプトの打ち出し方、デザインが非常に重要だと思う。同価格帯の水(evian、volvic、CRYSTAL GEYSER…)の中でどれくらいのシェアを取れてて、その推移はどうなのか知らないけれど、面白いマーケットだなと思う。そもそもただの水にこれだけの価格をつけているわけで…

どこかに世界のミネラルウォーターの市場規模は4兆円とか書いてあったが、この資料(p128,129)によれば、2007年の輸入ミネラルウォーターの国内市場規模は出荷額ベースで600億円程度らしい。
http://www.nikkankeizai.co.jp/images/zou08.pdf

最近まで流通していた一つ前のVittelボトルデザインは以下。こちらの方が好き。

 
あとbotteled waterと言えば、今話題なのはこちらの動画。テンポが良くて面白い。蛇口回帰の動きも実際あるようです。


 

Monday, April 05, 2010

Presentation Zen

------------------------------------------------------------------------------------
LINK

プレゼンテーションZen <ガー・レイノルズ>

日本で出版されてわりと早いうちに買ったのだが、積読期間長く、今日やっと読んだ。
内容自体はそれほど新しいという感じはしないが、ジョブズやアル・ゴアのプレゼンを見ていてかっこいいな、わかりやすいな、と感じるそのエッセンスが本書にはある。大事なのは、こういう本が世界的に受け入れられること。多くの人に読まれること。頭を柔らかくさせること。
本書のみならず、多くのプレゼンの本に書いてあることだが、大事なのはオーディエンスとの"共感"である。だからオーディエンス次第で内容も喋り方も変わるのだが、オーディエンスの間に偏見があると、やはりやりにくい。本当は、本書のようなプレゼン方法の方が感動させる力、記憶に残す力、アクションに繋げる力…が強いのに、オーディエンスにその準備ができていないと、素晴らしいはずのプレゼンも「けしからん」ものになってしまう。
本書がもっと日本で読まれ、SlideShareにも日本人の素晴らしいプレゼンが溢れることを祈る。
僕個人としても、会社でプレゼンをする際、もう少し崩したスタイルで攻めてみようかとあらためて決意。

以下いくつかポイントをメモ。

・「他者は我々にインスピレーションを与え、情報は我々に知識を供給し、訓練はパフォーマンスを向上させる。しかし、物事を解明し、新たな発見をもたらし、独創的な答えを探り当てるためには、静寂の時間が必要である。」(p69)

・プレゼン用のスライドと配布資料は別。"スライデュメント"はやめよう。(p78)

・心に残るアイデアには6つの共通の法則"SUCCESs"がある。(p88)
simplicity, unexpectedness, concreteness, credibility, emotions, stories

・プレゼンテーションの目的は情報を提供することだけではない。(p111)

・「我々の人生は、細部を気にすることによって浪費されている ― 単純化だ、単純化するのだ」(p114)

・画像を使って視線を誘導する。(p161)

・バランスの取れたデザインは、明確な一つのメッセージを持っている。うまく構成されたスライドは、最初に目を引く部分がはっきり決まっており、その後も人々の視線を巧みに誘導していく。聴衆はどこを見るべきか「考える」必要がない。(p162)

・デザインとは形を認識し、それを巧みに操ることである。(p162)

・ステージに立っているとき、スティーブはある意味でアーティストである。どんなアーティストでもそうだが、彼もまた練習や経験を通じて技術や手法を磨いてきた。(p207)


何れにしても良書です。
ワクワクしてしまい、久しぶりにSlideShareサーフィン、stockphotoサーフィンにだいぶ時間を使ってしまった。