Monday, June 02, 2008

ナス化を防ぐ

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本日はとりわけゆるい話題。
皆さんはバナナを買って食べるまで、どのような管理方法をとってますか?

昔、旅行から帰ってきたら買ってもいないナスが家にあるという珍事が起きた。

しかしよく見ると、それは全身真っ黒になったバナナ。それ以来僕はバナナが黒ずんでいく様を「ナス化」と命名し、不可逆化学反応であるかのように捉えている。
一般にバナナは黒い斑点(シュガースポット)が現れ始めたときが食べごろとされているが、そもそもなぜ他の果物に比べてこんなにも「黒く」なるのか。

答えはバナナに含まれるタンニン。タンニンはポリフェノールの一種で、これまた総称。タンニンと称される物質は数多くある。バナナをぶつけたり、強く持ったり、すなわち人間で言えば打撲のようなダメージを与えると、その部分の細胞壁が壊れる。すると酸化酵素(総称:ポリフェノールオキシターゼ)とタンニンが反応し、黒色化反応が起こってしまうらしい。ちなみにポリフェノール類を含む組織には、これを酸化する酵素が一般的に含まれているので、両者が反応しないような条件がよろしい。ただ一点、黒くなったからといってよほど腐っていない限り食べても害はないらしい。


さて、バナナの「ナス化」が早く進んでしまうのは打撲させたときだけではない。冷蔵庫に長期間入れた時も該当する。
僕は常温のバナナより冷たいバナナの方が delicious だと感じるタチなので、ある程度熟したら冷蔵庫へ入れるのだが、あんまり長く入れていると全体的に皮が黒くなってくる。これは「低温障害」が起きている証拠。代謝機構の調節不全でやられてしまっている。したがって長期間冷蔵庫に入れるのは禁物。


以上をまとめると、以下の管理方法が望ましい。

バナナを買う(持ち帰る時は優しく)
⇒1本1本に切り分けるなどしてバナナ同士の pressure を抑え、ダメージを減らす。
⇒柔らかい場所にそっと置く(もしくはバナナスタンドに吊るす)
⇒シュガーポイントが現われてきたら食べる分を冷蔵庫へ(僕の好み)
⇒冷蔵庫内で放置せずに食す 
(完)

*皮がかなり黒くなっても、打撲による黒さと、自然に皮の部分でタンニンと酵素が反応したことによる黒さでは意味が違う。前者では上述の通り、中身も黒くなっているはず。後者だと、機をよほど逸しなければ中身はキレイ。

*世にはバナナスタンドなるものが売っている。バナナをそのまま置くと、自重で接地面が痛むと考えられるのでそれを避ける目的。あとは、もともとぶら下がっていたものだからそうやって保存したいという心理的目的。(まぁ僕はもっていませんが。)


バナナについて今後 entry することもおそらくないだろうから、ついでにバナナの栄養的価値について。
ポイントはカリウムとビタミンB6、それからフラクトオリゴ糖による腸内環境の良化。
また、バナナの抽出液をマウスに与えたところ、マクロファージの活性を高め、腫瘍壊死因子(TNF)が多く生産されたという報告もあるらしい。ホンマでしょうか。

まぁ健康には良さそうです。
 

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