Saturday, May 29, 2010

jimnyのCMから。ヴィヴァルディ

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こちらはゴッホ絵画のスライドショーとヴィヴァルディ「四季」から「夏」のコラボレーション。

なぜ?かと言えば、たまたまみかけたTVCMの中で躍動的に演奏させる「夏」が流れていて気になったから。
スズキのJimnyのCMで、演奏は川久保賜紀さん。ヴィヴァルディはそもそもあまり聴かないのだが、「四季」とえいば、「春」が好きで、それ以外はそんなに自分から聴きに行くことはなかったが、「夏」も実は良かった。というかCMとしてうまくmatchしていた。

CM作成過程については以下のページにその概要が載っているが、音選びのプロセスは面白いなと思う。世の中のCMの多くはこうしていろいろ議論がなされ、何曲も候補が出された上で決まっているのだと思うが、音の生み出す効果は非常に高い。人の心に何かを与えるような、または商品の魅力を何倍にも増すような、そうした音選び・作成のプロセスにはまだまだ発展の余地があるように思う。僕はTVCMを真剣にみるタチだが、思わず、え?と思ってしまうような、サウンド面でもったいないCMが世の中に溢れている。

CM:
http://www.suzuki.co.jp/car/jimny_x_adventure/gallery/index.html

川久保さん紹介:
http://www.suzuki.co.jp/car/jimnycd/
 

Sunday, May 23, 2010

サウンド・スペース・コンポーザー

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見えないデザイン サウンド・スペース・コンポーザーの仕事 <井出祐昭>

題名を見たとき、「これだ!」と思った。
興味ど真ん中の1冊。著者の井出さんは、空間に音を入れていく、たぶん日本にそう多くはないであろう、サウンド・スペース・コンポーザーだ。例えば、表参道ヒルズで聴くことができるあの微かな音、ミッドタウンの21_21 DESIGN SIGHTの音、JR新宿駅の発車音…そうした音を創っているのは誰なんだろう、とふと考えたことはないだろうか。僕は音の持つ可能性についてかなり信じている方で、街に溢れている音にはもちろん、それを組み立てていくような仕事にも興味があった。本書は、第一線で音のある空間を作っている著者の視点を感じ、今までと違った角度でそうした空間を味わえるようになる、入り口のような1冊だ。

読んでみての感想は、圧倒的にプロだな、ということ。正直ここまで考えて創られているとは思わなかった。既存の音源を、何かソムリエのような感覚で空間にマッチさせているのでは、と思っていたら大間違いだった。普通の人の無意識のレベルで響く音、心地良くさせる音、それがとんでもない時間をかけて仕込まれている。そのコストたるやすごいのだろうが、コストをかければここまでできる、こだわれるというところに音の持つ可能性を再認識した。

著者は、以下のようにも述べている。

「その空間にいる人や動物や植物に、できるだけ深いところで幸せ感を感じてほしい、というような想いがあって仕事をしているようなところがあるんです。」(p69)

こういうマインドがないと、本書で読むような、地味で果てしないtry&errorはできないかなと。


著者による「音楽」の理解も面白い。

「精神的な満足感には、それこそ"ご飯からから悟りに至るまで"さまざまなものがあり、その度合いは、深さや高さ、奥行きで測られるように思います。時々私は、自分の行動や判断の基準となっているのは、結局はこういった心の満足感で、物欲、所有欲のような一見"精神的"ではないように思える欲求も、精神的満足感を代替しているのではないか、と思うことがあります。いずれにしても、音楽にこのような広く深い精神的ニーズがあるのは、人間の心の中には、アプリオリに、音楽に代表されるような精神的属性があるからではないか、そして、それを音楽が満たしているからではないか――。私は音楽がある理由を、そのように思っています。」(p207)

僕も、音というのは、人間(動物や植物も)にとって極めてに基礎的な、本源的な要素であるように思うし、その追究には何らかの形で関わっていきたい。


著者の仕事の面白いところは、音を単独で捉えるのではなく、"認識"の大きな枠組みの中で、考えている点だろう。空間認識と音認識、それは確かに、決して独立して人々の心に作用するものではないだろうし、(何らかの制約が与えられたとき)これを切り離してしまうというのは、実は非常に不自然なことなのだと思う。文明によって分断された要素を自然な形に帰していく、そんな営みがこれからは面白いような気がする。


最後に、以前友人に教えてもらった、デザイン・エンジニアリング・ファーム"takram"が本書の中で紹介されていて、やっぱりな、という気がした。すごい面白い活動している会社です。只者ではない。

takram:
http://www.takram.com/view.html
 

Sunday, May 02, 2010

為替の良本とフジマキ本

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①マネーの動きで読み解く外国為替の実際 <国際通貨研究所>

だいぶ前に本屋でパラパラと見ていて、表紙がゴッホだったことを決め手に買った本。確か2年ほど前。
実は超良本。為替関係の本はけっこう読んだが、本書以上の本はない。本質が凝縮されているという感じ。
為替とは?というところから、そもそもなぜ相場は動くのか、数字から何を読み取ればよいのか…等々、小手先のテクニックや単純暗記とは一味も二味も違ったレベルで理解できる。
特に、相場がどのように決まるかに関しての諸説、即ち、経常収支説、アセット・アプローチ説、購買力平価(PPP)説の解説が詳しく、しかもかなり中立的。これらの考え方をベースに「名目値」の錯覚から読者を救い出してくれる。証拠金取引は流行っているが、多くの素人プレーヤーは名目レートにしか目がいっていないのではないのだろうか。正直、購買力平価とかインフレ率とか何のこと?という状況では、通貨の金利差の話や外債の利回りの話など何もできないのではないだろうか。

本書は1回半ぐらい読んだが、まだ理解は8割程度。まだ体系立てて人に説明できるレベルではない。今後何度も読み返すに資する本だと思う。本屋での偶然に感謝。


②外資の常識 <藤巻健史>

実は藤巻本は初めて。昔TVでは良く見ていたが…
こんなに面白い(interestingではなく、funny)とは。ユーモアに溢れていてすごい。部下のウスイさんの話が特に面白い。
ただ、タイトルはどうかと思う。いろいろ協議の末これに決まったというエピソードも書かれていたが、ちょっとピントはずれ。「フジマキと愉快な仲間達の日記」という方がしっくりくる。もはやただのコメディ。

本書はけっこう昔の話が多いが、今フジマキさんは大丈夫なのだろうか。メディアでの相場に関する発言はあまり当たっていないような…

フジマキさんの『プロパガンダ』ではないけど、マーケットの人で面白い"レポート"を書く人は多い。三井住友の某氏とか、HSBCのFさんのレポートは毎日面白くて…マーケットに関する鋭いコメントとちょっとプライベートな内容、朝からやる気がでます。多忙ゆえ、相当な殴り書き的レポートにも関わらず、まとまっているし、面白い。頭の良さと文才、羨ましい限りです。
 

Saturday, May 01, 2010

Ave Maria

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シューベルトの"Ave Maria"
歌曲として有名だが、ピアノソロの演奏もよく聴くので、てっきりシューベルト自身がピアノソロ用の譜面も書いたものだと思っていた。オリジナルを弾いてみたいと思って楽器屋に行くと、意外に楽譜がない。予定が詰まっていたので探すのを早々に諦め、店員さんに聞くと、そもそもオリジナルは伴奏用の譜面しかなく、あとはアレンジ品だとか。
シューベルトのリートのピアノソロアレンジとして一番有名なのはリストだということで、全音の楽譜を購入。
LINK
リスト シューベルトの歌による13のピアノ小品集

"Ave Maria"が弾きたくて買ったのだが、"魔王"とか"ます"とか"セレナード"とか有名どころのアレンジもなかなかいい感じ。価値ある1冊。

冒頭の動画はベルマン。
ちなみにピアノソロはリストだけあって音が多く、けっこう難しいです。

以下は、非常に貴重な映像。ヴァイオリンの音色がかなりいい。
ヴァイオリンめちゃくちゃうまい人誰か周りにいないかな…