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チーム・バチスタの栄光(上)・(下) <海堂 尊>
題名と表紙の通り、医療系ミステリー。
去年買ったにもかかわらず、読んだのは最近という謎のタイムラグがあったこの小説だが、この手のものとしては面白かった。
ドラマにしても小説にしても、メディカルの現場、特に外科医モノは昔からわりと好きで、今回も「バチスタ」という題名の単語を見て思わず買ってしまった。
医者モノは凡庸な作品も多い中、本作品が面白かったのはキャラ作りにあると思う。冷静なタイプで、主人公にならなかったとしてもいつも独り言のようにあれこれ考えていそうな田口の視線でストーリーが進められていくというのが一つ妙にしっくりくる。一方で、ロジカルモンスター白鳥のキャラが強烈に立っていて爽快。白鳥の頭の中はロジカルとかそういう域を脱していてぶっ飛んでいる。そんな白鳥の表面的な部分が非常にハチャメチャなところがなんとも絶妙なアンバランスさをものにしていて気持ちがいい。
病院長もいい味を出していた。
ミステリーとしてだけの評価なら、仕組みも大したことがない作品なのかもしれないが、全体で見るとよくまとまっていて、気づいたら読み終わっているという、面白い小説の良きパターンだと感じた。
この小説は同著者の「死因不明社会」へとつなっがっているが、現代の病院と死の在り方における変なところが伝わってきた気がする。本作品内でも、上巻の時点から何で解剖しないの?と思い続けていたら、やっぱりそこは key になっていた。解剖医学や法律なんかにも興味が湧いた作品だった。
ハイペースで執筆を続ける作者の海堂さんには今後も期待。
Saturday, March 08, 2008
チーム・バチスタの栄光
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