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①道具としてのファイナンス <石野雄一>
世の評判も良いが、かなりよくできた本だと思う。
ファイナンスを全く勉強したことがない人から、多少勉強したものの消化不良という人まで有用。
ファイナンスの本と言えば、基本概念を極端にやさしく説明するかハードカバーの所謂「基本書」系のどちらかであることが多いが、本書は「実務に使える」ということを主軸とし、基本的にexcelでの説明がなされる、まさにそれを待っていたという人が多数現れそうな内容。本書内で出てくるシートは全て一括DLできるしかなりCP高めな一冊。
著者も昔溢れるほどファインス本を読んだが結局使えなかった、イマイチだったというエピソードが書かれているが、そういう"実"経験があるからこその分かりやすさ、展開だなと感じた。
万人にオススメできる1冊、かつ自分もデスクの引き出しに入れておく価値ある1冊。
②MBAバリュエーション <森生明>
こちらも良本だと思う。けっこう有名&レビュアーの評価も高いのも頷ける。
難しさは全く感じさせずに、しかし要点は確実に押さえている。 特に簿価純資産、時価純資産、会社価値、企業総価値の4つの違いが明解に説明されていて、初心者にも分かりやすい。
valuation は細かく見ていくと本当にプロの、というかvaluation屋さんの仕事だとつくづく感じるが、本書では一般の人がネットや四季報などで簡単に手に入れられる情報を、非常にシンプルなexcelにinputするだけでそこそこ意義のある数字を出すことができるように解説されている。valuationは仮定の置き方など正直キメの部分で何とでもなってしまうもの、もしくは結論となる価格ありきであることも多い。従って、本書のような"ざっくりvaluation"の数字を何に使えるかと言えば難しいところなのだが、ポイントを押さえた大まかな枠組みで数字をはじき、それを比較分析することは非常に勉強になる。また、会社の価値とは何かをぼんやり考えるのではなく、ざっくりとでも数字を出して考えることに意味があるとも思う。
ハイレベルな本は何冊もある一方で、本書はvaluationの一冊目としてオススメ。
因みに著者の森生さんはドラマと映画の「ハゲタカ」の監修担当。ハゲタカも相当面白い。
Saturday, September 26, 2009
ファイナンス入門の入門
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