Saturday, September 05, 2009

仕事への取り組み

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①セクシープロジェクトで差をつけろ! <トム・ピーターズ>

トム・ピーターズのサラリーマン大逆襲作戦シリーズの第2弾。
第1弾と内容的にかぶる部分も多いが、プロジェクトマネジメントというか、日常の仕事(=全てプロジェクトになる)の変え方、始め方に特化した本。トムピーターズ本はやはりあつい。本書を読んで、「めちゃくちゃだ」、「子供騙しだ」、「できっこない」と感じる度合いが強い人ほど状況は危機で、サラリーマンどつぼにはまっていることの表れだろう。
本書もテンションが下がったときに読み直したいが、以下は備忘のため内容メモ。


『物分かりがいい人間は自分を世間に合わせようとする。分からず屋は世間を自分に合わせようとする。したがって、分からず屋がいなければ、この世は進歩しない。』(p36)

⇒ジョージ・バーナードの言葉を引用している。シンプルながらすごいフレーズ。分からず屋は悪ではない。人類の進化は非常識な人間の力にかかっている。


『15年もすれば、すごい仕事、あるいは、すごいことをやろうとして失敗した仕事しか憶えていない。60歳になって人生を振り返ったとき、自分が何をしてきたか、何も憶えていないというのは、悲しすぎる。みじめすぎる。』(p59)

⇒これは本当にそうだと思う。死ぬ前や歳をとってから人生を振り返るという視点が必要。今何をしなければならないのか自然に分かる。近頃はそればかり考えている。p59の挿絵が非常に印象的でこの挿絵を見るだけでも本書を読む価値あり。


『これから取り組むプロジェクトのプレスリリースを作成してみよう。』(p72)
『一年半から二年の間に、自分の履歴書に書き加えたいと思うものを二つか三つ考えてみよう』(p93)

⇒プレスリリースが書けないような、履歴書にも書けないような、しょぼいプロジェクト(=仕事)ならやめてしまおう。もしくは変えてみよう。というもの。これも多くの終身雇用型サラリーマンにはない意識で大事。


『公理。すごいプロジェクト=ルールの変更。ルールの変更=怒りだすヤツがいる』(p95)

⇒プロジェクトを実行しようとすれば政治はさけられないもの。如何にして味方を増やすか、敵を弱くするか、そういうのもダサいことではなく、真剣に取り組まなければならないこと。本書にはサポーターを増やすためにも、エレベータースピーチ、廊下スピーチの練習は欠かすな、ともある。


『せっかく人に生まれて、冒険をしないなんて、命がもったいない!』(p106)

⇒トム・ピーターズはここまでいう。冒険とか海賊とかロマンとか血がさわぐ言葉は血がさわぐお客さんを引き寄せるとも。冒険と言う言葉は個人的にもかなり好き。


『有能な改革の旗手は、誹謗中傷など気にしない。~~時間とエネルギーと資源の無駄である。そして何より、私たちのもっとも貴重な資源である感情資本が無駄に消費される。』(p162)

⇒ついついカッとなって戦ってしまうのが常だが、そこは一皮剥けなければならない。冷静に考えればそうなんだけどね。


『すばらしい失敗、気高き失敗、誠実な失敗、カッコいい失敗にはご褒美を出し、平凡な成功は罰する』(p229)

⇒日々罰されそうだ。これは個人の問題というよりは、組織作り、環境づくりの話。自分が組織をもつときには強く意識したいところ。


『ベンチャー企業でも、起業家からプロの経営者にバトンを渡すべき時がくる。これは苦悶の決断だから、潮時を読み間違う起業家が多い。』(p248)

⇒本書はプロジェクトからの退場、引き際についても指南がある。この辺りはけっこうレベルの高い話。言っていることは頭では分かるが、これも経験値が必要だろう。ただ、予め頭に入れておけるのは非常にありがたい。


②PLAY JOB <ポール・アーデン>

サンクチュアリ出版の本。装丁は毎度素敵。今回も写真やデザインが文字に力を与えることを再認識。
実は、上記のトム・ピーターズ本と全く同じジョージ・バーナードの言葉が引用されていたりする。

本書で印象に残ったことは、願望からの脱却が大事だということ。
人は誰だって「人とは違う人生を送りたい」とか「刺激的な人生を送りたい」とか思っている。人は何事に対してもいつも誰でも、賢明な判断をしようとしているが、それだけでは願望は叶えられない。無難な選択はやめ、ラジカルに生きなければ。本書には、多くの人が誰かの人生を借りて彼らの興奮を擬似的に味わっているという指摘がある。有名な人に自分の人生を投影して気分だけ味わっていると。ただ、やはり未来の一時点から自分の人生を振り返ったとき、そこには何も無い。幻想だ。投影先の「有名な人」は真剣に選択すべき局面で、いつも信じられない方ばかりを選んできた。そして、堅実な方を選ぶことだけは危険だということを気づいていた。そう本書は指摘する。
この話は本質的で胸が痛い。どれだけ過激な本を読んでも、どれだけ画策をしても、どれだけ夢を抱いても、リスクをとった勇気ある行動なくしてはリアルな変化はない。蜃気楼。願望は大事な気もするが、健全な願望が邪魔をして何もできないというのが難しいところ。とにかく誰かの人生への投影という準麻薬行為だけはだめだ。リアルな自分を生きろ。
 

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