Tuesday, September 22, 2009

Le Corbusier のメッセージ

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2ヶ月程前に発行された Casa BRUTUS の特別版MOOKがコルビュジエ特集だったのだが、最後の方に、インドを代表する建築家であるバルクリシュナ・ドーシがコルビュジエから以下のようなメッセージを受けたという話が載っていた。

「彼(コルビュジエ)はいつも変化を加えることを考えて仕事をしていました。創造的な人間にとって規則は破るためにある。彼はこう言いました。"真実とは川のようなものだ。方向を変え、自らを少しずつ変えながら流れていく。真実が大海に出るためには、両側の堤に触れてはならない"つまり、時間を超えたものを創造したいのなら、流れつづけ境界に縛られてはならない。創造には境界がない。それが彼のメッセージです。」(p177)

真実を、時を超えて流れつづける川に例えるこのメッセージは深いなと感じた。この部分だけ3回ぐらい読み直してしまった。「真実は一つ」なんてよく言うけれど、そこからガッチリした不動の真実の像を思い浮かべるとしたら、それはある種の切り口に固執した感覚だと思う。フローとしての時間の概念を考慮せず、ある瞬間を捉え、その状況を隈なく調べ考えた結果にすぎない。でも実際に世の中は時間の流れの上に乗っていて、その流れの中で真実は常に変化するもの。その日その時代のスナップショットばかりを見て考えていては真の創造はできない。小手先のアイデア作りではなくて本当の"創造"とはどういうものなのか、最高の比喩を用いたメッセージ。フレームワーク思考に溺れないためにも頭に留めておくべき重要なメッセージだと思う。

ロンシャンの礼拝堂 (Photo by Liao Yusheng

コルビュジエといえば誰もが知っている?ような巨匠で関連の出版物も多いが、今回のCasaのMOOKはよく纏まってるし、読んでいて楽しい。買ってよかった一冊。
上の写真はお馴染、ロンシャンの礼拝堂。コルビュジエ建築の中で1,2を争うほど好き。見に行きたい…

サヴォア邸 (出典:CoolBoom

2年前に森美術館のコルビュジエ展に行ったが、建築だけでなく絵画も多数あり、アトリエの実寸大再現もありで最高に面白かった。また次どこかで開かれるのなら観にいきたい。もっとも、森ビル社長の森稔さんは世界有数のコルビュジエコレクターらしいため、2年前の展示以上のものが開催されるかはわからないが…

やはり偉大。
 

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