Thursday, February 07, 2008

情報の受け手のために

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「分かりやすい表現」の技術 <藤沢 晃治>

文字、文章を使って誰かに情報を伝達する際に大事なことはなんでしょうか?
一部の特殊ケースを除いて、僕は大事な要素が4つあると思っている。(というかこれまで学んできた)

情報伝達は
 ①速く
 ②受け手が楽なように
 ③正確に(誤解が生じぬように)
 ④要点をはずさないように
することが大事。(とくに②が忘れられがち)

そしてこれは情報の発信者の仕事であり、配慮でもある。
文書作成術関連の本で、以前レビューした「考える技術・書く技術」「理科系の作文技術」という2つの名著も当然この点に重きを置いている。


さて、本書は非常に薄い本で、難しいことは一切書いてない。
主張されているのは大まかに言ってやはり上の4つの事項で、あとはそれ用の簡易チェックシートがついているのみ。
しかし、この本は世の中にもっと出回って欲しい。というのも、上記のことをまったく意識していない人が多すぎるからだ。意識はしているが、ついついというのはまだしょうがない。最も困るのは、自分が相手に情報を伝える目的で書いた文章、メモがどれだけ受け手に労力をかけているか全く気にかけたことがない人々だ。こういう人たちが分かりやすい文章を書く天性の才能をもった人なら助かるのだが、往々にしてそれとは真逆であることが多い。
分かりやすい文章を書くことや、分かりやすい表現を用いるということ自体は難しくはない。これは意識や思いやりレベルの問題なのだ。
あまりこの手の本を読まない人は、是非、意識改革にどうぞ。


ちなみに僕が個人的に面白かった部分を列挙すると…

・理解の話
『「分かっている」とは、情報が、あとで取り出すことが可能な脳内整理棚にしまわれていることです。』(p.36)
『「分かる」とは、新しい情報の「構造」が認知され、整理棚(二次記憶域)の一つの区画に入れられることです。』(p.39)

・foolproof の話
⇒情報伝達は受け手のプロフィール、レベル、熱意…等を考慮して foolproof になっているように!

waterproof : 『腕時計などが水がかかることを想定して、その対策が講じられていること』(p.61)
foolproof : 『あまり注意深くない人々の存在を織り込んで、その対策が講じられていること』(p.61)

・知る&失う
『あることに精通していく過程で、知識量は、増加していく部分だけではなく減少していく部分もあります。パソコンでいえば、習熟の過程で増加していくのはパソコンの知識であり、減少していく、つまり、失われていくのは初心者の発想なのです。』(p.73)

・差異率(情報全体に対する「異なる部分」)を高めよう!(p.122)

・自然発想に逆らうな(p.186)


こんなところでしょうか。
まぁとにもかくにも、自分が誰かに情報を発信するときはしっかり意識を高め、逆に非常に分かりやすい(≒親切な)文章を頂いたときは、発信者の思いやりに感謝しましょう。ということです。
 

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