Sunday, October 12, 2008

World University Rankings 2008

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THE-QS世界大学ランキング2008が発表された。
THE(Times Higher Education)社とQS(Quacquarelli Symonds)社の発表する最も有名なランキング。大学のランキングはいろいろあるし、それによって順位も異なるのだが、最も有名なランキングというのは例えば留学する人にとって一つの大きな判断材料となる。国を越えた人の移動がますます多くなるであろうこれからの世界では、大学側にとってもこうしたランキングを意識することが少しは重要になるだろう。

TOP10 は以下の通り。
1.HARVARD University [us]
2.YALE University [us]
3.University of CAMBRIDGE [uk]
4.University of OXFORD [uk]
5.CALIFORNIA Institute of Technology [us]
6.IMPERIAL College London [uk]
7.UCL (University College London) [uk]
8.University of CHICAGO [us]
9.MASSACHUSETTS Institute of Technology [us]
10.COLUMBIA University [us]

ご覧の通り、すべて米・英。さらに11~15位もすべて米大だったりする。
発表されているTOP200はTHE社のサイトで見れます。
http://www.timeshighereducation.co.uk/hybrid.asp?typeCode=243&pubCode=1

日本の大学はどのぐらいの位置にランクインしているかというと…
19.東京大学
25.京都大学
44.大阪大学
61.東京工業大学
112.東北大学
120.名古屋大学
158.九州大学
174.北海道大学
180.早稲田大学
199.神戸大学

世界TOP200のうち10校とまぁまぁ健闘している気もするが、先進国、科学技術立国、経済大国とうたっている割には情けない。国民一人当たりのGDPランキングで低位置にいるのも教育の影響があるのではないか。
ところで、日本では有名な一橋大学と慶應大学がTOP200に入らなかったのは残念(慶應は去年は161位に入っていたものの今年は評価を下げ、ランク外)。慶應は研究成果的にはちょっとという感もあるが、総合的な教育の場(どっちかというとビジネスより)としては僕は高く評価しているだけになんだかなぁという感じ。ビジネス界においては凄い奴はダントツで慶應出身が多い。"上"を伸ばす機会と教育のある大学だとは思うが、"下"になってしまう学生があまりにも割合的に多いのが問題なのだろう。人数も多いし仕方ないか…

このTHE-QSランキングのメソッドは下記QS社のサイトにある。
http://www.topuniversities.com/worlduniversityrankings/methodology/simple_overview/

先に挙げたTHE社のサイトと文言は違うが、以下6つの項目に重みをつけて評価している。
①PR:Peer review score 研究者の評価 ― 40%
②REC:Recruiter Review score 雇用者の評価 ― 10%
③SFR:Student Faculty Ratio 教員数と学生数の比率 ― 20%
④CIT:Citations per Faculty 教員一人あたりの被論文引用件数 ― 20%
⑤INTF:International Faculty Ratio 外国人教員比率 ― 5%
⑥INTS:International students Ratio 外国人学生比率 ― 5%

TOP10入りした大学の平均スコアをレーダーチャートにすると以下のようになる。


一方で、TOP200入りした日本の大学の中で、サンプルとして、2強の東大京大、非総合大学として唯一ランクインした東工大、私学として唯一ランクインした早稲田大のスコアを同様に作成してみると、以下のようになった。


こうして見るとどうも、日本の私学の弱点はSFRとCITつまり、教員・学生比率、そして被論文引用件数。この2項目は比重も大きく、日本の私学の現状の形態ではアカデミックな場としては世界であまり認められていないことを意味している。いい大学の定義にもよるんだろうけどね…
東大京大含め、日本の大学全体に圧倒的な問題として残るのがINTFとINTSの低さ。即ち国際性の低さ。確かに日本の大学は外人教授も留学生も非常に少ない。特にアジアでは教育においても日本はリーダーでなくてはならないはずなのにプレゼンスが低い。この一番の原因は言葉だろう。
今の日本の現状では外国の学生は授業になかなかついてこれない。言語が日本語だからだ。
いきなり外国人学生の誘致を促進するのは難しいにしても、僕は英語で授業をする外人教員がもっと増えてもいいと思う。そりゃ英語がからっきしだめな日本の学生にとって英語の授業はきつい。しかし論文だって英語だし、世界の知の多くは英語で蓄積されている。英語から遠ざかっていてはやがて日本が孤立してしまうことは間違いない。時間が湯水のようにある大学生に対する教育だからこそ、嫌でも英語力が上がるような高等教育現場にすることが重要なのではないだろうか。結果として、日本の大学のグローバル化も進むはずだ。ランキングの指標に迎合するというわけではないが、日本の大学は国際性を向上させるための改革をもっと radical に進めるべきだろう。
 

2 comments:

Anonymous said...

まあ、ランキングはあくまで参考程度でね。
ランキングの算出方法はそれぞれ違うわけだし(笑)特に欧米が公表するランキングって研究成果とかに重きを置いてるしね。

ちなみにTIMESの他にも以下のとこが著名なランキングを出してるよ。参考までに。
(うちの大学も、各種ランキングの種類によって順位がめちゃめちゃ良かったり、そんなでもなかったり…。)

①Academic Ranking of World Universities
http://ed.sjtu.edu.cn/rank/2007/ARWU2007_Top100.htm

②Top 100 Global Universities (by Newsweek)
http://en.wikipedia.org/wiki/Top_100_Global_Universities

③Webometrics Ranking of World Universities
http://en.wikipedia.org/wiki/Webometrics_Ranking_of_World_Universities

Leolio said...

しかし、どこを見ても総じて米大は上位にがっつりいるな。

ryotaの大学時代の話を聞く限りじゃ、アメリカと日本の文系学部のしんどさの違いは月とスッポンだよな…

国の歴史、人口、経済指標…いろいろな面で考えても高等教育にこれだけ差があるというのは解せないな。この開きがrealなものなら日本の将来も不安だな。