Friday, January 30, 2009

Visualization

------------------------------------------------------------------------------------

上の図はいろいろamendされながら最近出回ってるとてもcatchyな図。(拡大してご覧あれ)
一連の金融危機前後でメジャーな金融機関の時価総額がどう変化したかを示したもの。
(前後といっても、まだ今が「後」とは到底言えないことは御存知の通り)
いろいろ手が加わりすぎてソースは謎なんですが、一応J.P.Morgan作成、Bloomberg発の模様。
まあこれ自体は誰でもすぐ作れるけどね。

MLやLBがいないのが寂しい感じですが、ところで相対的にプレゼンスを高めつつある我らが日本のメガバンクは載らないのだろか?JPMの元気だよアピールが薄れてしまうからか?

しかしCitiはすごいな、こうして見ると…
あまりにもやばいイメージが強すぎて日本のCitiBank銀行でも新規に外貨預金してくれる人は少数だろうに。相変わらず毎月セミナー情報とかは来るけど。


何はともあれ、起こっていることを視覚的に捉えるのは重要。

視覚化―金融 というkey wordならこれが定番でしょう(重いけど…)。
FINVIZ.com
http://finviz.com/map.ashx?t=sec

あと、タイムラグがありすぎてプロっぽさはゼロだけど、日本の株式市場に関してはこれが分かり易い。
たまにセクター毎にくっきりと明暗が分かれる日があって、そういうときはプチ感動が味わえる。
Nikkei225 MarketMap
http://n225.jp/

さて、明日を乗り切れば週末だ!
 

Sunday, January 25, 2009

思考のボトルネックとかレアメタルとか

------------------------------------------------------------------------------------
   

①思考のボトルネックを解除しよう! <石川和幸>

1週間以上経過した原因不明の背中の痛み…「健康」のボトルネックの存在を以前よりなお大きなものとして感じています。。
さて、本書はinputを元にoutputしていく際に何がボトルネックとなっているのか、それをどう取り除いていけばよいのかという問いに対して、SCMを得意分野とするコンサルタントが方法論、想いをまとめた本。難しい内容は全く書いてないし、ディスカヴァーらしいゆるめのビジネス書ではあるが、はっとする部分は確かにあった。個々のビジネススキルや知識を増強していく前に、もっと階層が上の部分に注意を払うべきだが、それらは分かっていると思いつつも実はある程度の頻度で再確認しないと忘れてしまいがちだ。本書は思考のボトルネックを次の3つに分解し、さらにそれぞれのボトルネックを分解していく。
①知識のボトルネック
②選択のボトルネック
③生/活力のボトルネック

①の知識のボトルネックの部分に関しては巷にあふれる多くのビジネス書に書いてあるようなこと(しかもレベル低め)が多く月並。②③も割と当たり前な内容。…ではどこが本書のいいところかというと、2つあるように思える。一つは、思考のボトルネックについて1冊の本という形態をわざわざとっている点。何かの問題解決のシーンではなく、一人の人間の生き方を考える際には、ボトルネックについて深く掘り下げていくことよりも、むしろ常にボトルネックが存在するという事実を「意識」することの方が重要だと思うからだ。本書によって自分にボトルネックがあることを十分再認識させられる。意識さえできれば、人間、自分のボトルネックが何なのかは結構分かっていて、ツリーとか書いてうんうん考えて発見するようなものではないものだ。ボトルネックの存在をすっかり忘れてしまって、気がつけばアンバランスな自己研鑽に努めていたということの方がよっぽど頻度が高いことのように思う。日々のタイムマネジメントをしっかりやって情報を人一倍inputしているのに、何だか身についていないと感じることがあればまさにそれだ。
もう一つは、筆者のスタンス。この本は思考ツール提供の本ではない。人生を考える上でのヒントを提供する本だ。僕は人生を「かくあるべき」と断言したり、「こうすれば簡単さ」と安易なKnow-Howを綴るような冷めた本は好きでないが、本書の筆者のスタンスは以下のように明文化されている。

「つまり、頭だけでは全然だめで、そもそもの志、夢、情熱があってこその知識であり、思考のフレームワークであり、それがなければただの頭のお遊びになりかねない、あるいは、血も涙もない結論を導くおそれもあると思うようになったのです。」(p240)

人間らしい部分を忘れて、効率だとかフレームワークだとかボトルネック発見だとか言ってても虚しい。人間はロボットではないし、ましてや工場ではないのだから。

何はともあれ、自分の思考のバランスを見直したい方はパラパラとでも読む価値あります。


②レアメタル・パニック <中村繁夫>

2度美味しい1冊。
一つはレアメタルに関する知識を得れた点。本書では化学の元素記号表を見た以来、頭の片隅にあるだけで、しばらく見も聞いてもいないような元素の名前が数多く出てくる。そしてそれらが私たちの生活のなかでどう使われているのか、地球のどこに眠っているのか、市場規模はどれくらいなのか等々、いろいろ分かって面白い。意外と身近。本書を読むと、資源に乏しい日本はもっと躍起にならなくてはまずいんじゃないの?と危機意識を持てる。高度な製品の輸出を原動力としてきた日本だけに、非常に心配になる。
もう一つは、本書が半分は著者の自伝である点、そしてこれぞ商社マン的な冒険ストーリーが楽しめる点。僕は個人的にはこんなにワイルドなビジネスパーソンになるのはちょっとな…と思ってしまうが、読み物として非常に面白いし、こういう人は絶対これからも必要だと思う。豪快さ、リスクのとり方につき学ぶこと多々あり。
もっと多くの人が、日本にいる著者のような人の存在を知るべきでは?
 

Sunday, January 18, 2009

染みる言葉

------------------------------------------------------------------------------------
前から思っていたことだけれども、生保のCMでの井上怜奈さんの言葉がサさる。

「いい時も、わるい時も、人生を楽しんでいたい」

以下、AflacのHPより。
“がんを克服し、現在も現役のスケート選手として活動しながらアメリカでの生活を送る井上さんは、今回のCMを通じて伝えたいメッセージについて、「私は、家族をがんで亡くし、自分自身もがんを経験した。そんなふうに、人生には色々なことがあるが、それに負けずに、常に前進し続けることが大事だと思う。また、今生きているこの一瞬の時間を大切にしていきたいと思う。つらいことがあっても、何年かたって、『あの時の経験があったから、今の自分がある』と思えるように、人生の成長の糧にしていきたい。何事も見方次第で生き方は変わってくるし、そう考えることで、今、つらい思いをしている人も、少しは明るい兆しが見えて、前進できればいいなと思う」と、語っています。”

この言葉で多くの人が救われたんじゃないかと思う。
保険云々はいいとして、心に染みるCMだ。


あと、なんだかパッとしないとき、僕の人生に大きな影響を与えた『ロング・バケーション』の中のこんなフレーズが気持ちを穏やかにしてくれている。

(何気ない夜に瀬名が言った言葉)

“ねぇ、こうゆうふうに考えるのだめかな?

 なが~いお休み。

 いつも走る必要ないと思うんだよね。
 あるじゃん、
 何やってもうまくいかないとき。
 なにやってもだめなとき。

 そういうときは神様がくれたお休みだと思ってさ。
 
 無理に走らない、 焦らない、 頑張らない、  自然に身を委ねる…”



瀬名にはすごく共感して生きてきたし、こういう考え方ってすごく心地いい。
もっとも、ただ「お休み」だと考えて逃げ続けるだけじゃなくて、終わりがあるから「お休み」っていいもんなんだけどね。

瀬名もドラマ終盤の萬金でのシーンでこう言っています。

“なが~いお休み、 は、 もう終わりだからね。”


2年に1回ぐらいは観返したいドラマですね。


最後に、最近このblogの右側maxims欄にも追加してある、Eleanor Rooseveltの言葉、

“The future belongs to those who believe in the beauty of their dreams.”

も大事にしてます。
 

Monday, January 12, 2009

「斜め」路線の2冊

------------------------------------------------------------------------------------
   

①「人たらし」のブラック心理術 <内藤誼人>

すごく真っ当な本。題と表紙が滑稽なほど。そして軽い。
「人を動かす」などの歴代の名著は、根っからいいことを書きながらも、人間対人間の問題と戦略的に対峙する方法を匂わせてきた。とりようによっては、なんか打算的だなという印象も受けるが、人間と付き合う方法を書にした時点で多少はそういう匂いがしてしまうものなのだろう。一方で、本書は「割り切り」をして、「人たらし」、「ブラック」という単語を使って対人間法を解説している。
しかし、内容は結局それほど変わらない。だから歴代の名著を読んでいればそれで事足りる、というか本書はそれに遠く及ばない。ただ、この価格の文庫本でより多くの人に気づきを与えることができるのであれば、それがこの本のvalueだろう。
ちなみに僕個人は「人たらし」の処世術が大変苦手だ。社会で生きていく上で、ほぼ必須であることはわかりつつも、何か打算的な匂い、そして自分に正直であるということに反する感覚が気持ち悪いのだ。この辺りをどう捉えるのか、今の会社では学ぶべきところが多いように感じる。


②科学者の9割は「地球温暖化」CO2犯人説はウソだと知っている
 <丸山茂徳>


新書というのはその情報、主張の質にバラつきが多いものだが、本書はB級通り越してC級であるように感じられた。地球温暖化の原因についてはWikipediaを見ても分かるように、諸説ある。どれも決定的ではなく、仮説に基づいて対策が協議されているというのが現状だろう。題名から、本書はそうした地球温暖化原因諸説について科学サイドから論じる本なのだろうと思って内容を見ずに購入したのだが、読んでみるとひどい。
まず、題名の9割云々という部分がウソだ。別に科学者の9割がCO2犯人説はウソだと思っているわけではない。中学生でも疑問に思うようなロジックのねじ曲げを大胆に行い、その後も少しずつねじ曲げたロジックを微調整という展開。次にひどいのが、何の本かわからなくなってしまっている点。前半では科学的な話を展開しているにも関わらず、後半は筆者にとって専門外の社会・経済の話。それではやっぱり浅くなる。

総じて何だかよくわからない新書だったが、前半の科学的な部分だけは、そういうデータもあるのね、というinputにはなる。政府、メディアの発言を受け、地球温暖化の原因はCO2だけだと思い込んでしまっている人にはこの部分は読む価値があるかもしれません。ただし、ネットでも十分そういう情報、データにはリーチできますけどね。

Thursday, January 08, 2009

人間の土地

------------------------------------------------------------------------------------


人間の土地 <サン・テグジュペリ>

“ぼくら人間について、大地が、万巻の書より多くを教える。
理由は、大地が人間に抵抗するがためだ。”


このフレーズから始まる本物語は、サン・テグジュペリの人生の断片をひとつの糸で繋いだものだ。
人間を人間たらしめているものは何か、あまりにも圧倒的な大地の上で Heroism が静かに主張される。
僕に fit する感覚ではないが、今の僕に足りないのはこういう精神かもしれない。
自分の夢を貪欲なまでに追いかけ、自分の求める価値を創造するために新たな道を絶えず切り開く者、その一方で、自分の目の前にあるモノ・コト、与えられた環境、そういった閉じた系で価値を最大限見出して生きる者、おそらく本質的には1人の人間の中に共存しないであろう2つの生き方のどちらにも、この物語の静かな主張は刺さりうる。

正直、8つのストーリーからなるこの本を読み始めたとき、何も僕の心に届くところはなかった。フランス文学らしい少しまわりくどい描写と、堀口大學さんの小難しい感じの翻訳に埋もれてか、何の本なのか分からないような感覚を覚えた。しかし、読み進めていくと、不思議と一貫した主張が伝わってきたし、堀口さんの訳の味も感じることができ、逆に名訳なのだろうという結論にも至った。そうした読書だったせいか、もともとこの書はそれだけの価値があるのか、もう何度も読み返してみたい気が湧いてきている。間をあけて、また人生の変曲点において本書を再び繰ることが必要だし、より一層深い洞察を著者から授かることができるのではないかとも思う。

僕の大好きな『星の王子様』と並んでサン・テグジュペリの名作と言われるだけのことはある。多勢にならうわけではないが、やはり名著、名作と言われた本には多くの人の心を揺さぶるだけの価値がある。どうやら宮崎駿も本書に強く影響された一人のようだ。確かに彼の原点も本書のマインドと非常に近いところにあるように感じる。ちなみに本書の表紙の絵は彼が描いたものだ。
 

Tuesday, January 06, 2009

2009年の日常戦略①

------------------------------------------------------------------------------------

今日は初仕事。年末年始のマーケットは穏やかで、それが唯一の救いです。
奇跡の9連休もあっという間に終わってしまったし、すでに来年のカレンダーを見た僕は余計にげんなり…来年はたったの4連休。

そういえば個人的にいい話題といえば、初仕事に合わせて年末年始に新調した革グッズ(上の写真)。いろいろなものがいろいろな経路で手に入った。素晴らしい気分転換。どれも気に入ってます。
渋いブルーの鞄は革の縫製、デザインの秀逸さもさることながら、色の魅力にやられて即買いしてしまった。コンパクト志向の僕としてはちょっと大きいのが玉に瑕なのだが、負けじとこれから使い込んでいい味出していこうかと思います。
個々のプロダクトとしてはどれもいいのだけれども、やっぱりマネークリップはいらなかったかもしれない。そのスタイルに合わせてイルビゾンテのコインケースを買ったけど、お金が二手に分かれるのはめんどくさいし、小銭入れを持っていることでおそらく小銭は増える。そんなところだ。
ここはひとつ募金を徹底しようかな。
1の位のおつり(つまりは5円玉と1円玉)を毎回全て募金するとしたらどうだろうか?
以下、僕のライフスタイルに合わせて妄想。
買い物で現金を使うシーンが平日平均3回(コンビニ行き過ぎ)、休日平均1回だとすると、年間886回も買い物で現金払いをすることになる。このうち、1の位が0でない支払いは大抵はスーパーやコンビニ利用時に起こることを考慮して、886回に適当なところで7割掛けでもしてみる(残り3割は主にランチか)。そうすると620回。レジに表示される合計金額の1の位が0から9までの数字を均等にとりうるとしてしまえば、5円玉と1円玉を全く持っていない人に対するおつりの1の位の期待値は5.5円。つまり1回の募金額は5.5円ってところ。
※スーパー、コンビニ、たまに本屋…以外の買い物は大体カード

従ってこの作戦の効果は…
プラス面:①小銭入れがやや軽 ②楽 ③年間620回も寄付したという「やった感」
マイナス面:①年間約3400円のコスト ②募金箱がないシーンへの対応
 
うむ…これは実行か、否か。。
 

ちなみに写真のMonkeyはARROWSのレジにいたおサル。マフラーがあったかそうだったので、去年の11月だかに買ってやりました。
 

Saturday, January 03, 2009

大人の時間はなぜ短い

------------------------------------------------------------------------------------


大人の時間はなぜ短いのか <一川誠>

年をとると時の経つのが早く感じられるという現象はなぜ起こるのか、題名の問いに対するジャストな解は残念ながら予想通り用意されていないのだが、考える切り口自体は面白かったので、新書としてはいい内容だったと思う。文系出身の筆者だけれども、主観に走ったり、少ないデータから無理矢理結論を導いたりということはしない冷静な論調であった点もよかった。

題名からも察する通り、本書ではまず私たち人間が感じている時間と物理学的時間、そして時計によって刻まれる時間がそれぞれどのようなものなのか、どう違うのか、何がホンモノの時間なのかを考えるところから始まる。ここでは、そもそも時間に限らず、人間の知覚というものは実在のモノ・コトを正確にとらえる類の能力ではないことを視覚を中心とした多くの具体例によって説明する。ここは僕自身は疑問の余地もあまりなく、すっと本書の肝心な主張を受け入れる体勢になれた。(話はずれるが、p49の「オオウチ錯視」にはビックリ)

次に、我々にとっておそらく一番大事であろう、人間が知覚する時間の性質についての説明へと続く。ここでは明確な因果関係等は分かっていないものの、それなりに頷けなくもないような仮説がいくつか提示される。中でも印象に残ったのは、個人の精神テンポは人によって異なり、それは歩くペースや会話の際の間合いの長さと相関があるという話。歩くペースが居住する都市の人口規模と正比例の関係にあるという報告から、精神テンポはある程度環境の影響を受けて獲得されるというのが興味深いというか納得という感じだった。これに関しては、さらに自分のテンポと違うテンポに晒されるとそれはストレスの原因になるという仮説もあがっていた。このようないくつかの仮説から、議論はさらに現代社会の問題点と時間との付き合い方へと発展する。

本書の立場として一番面白かったのは、時計のみならず、「時計が刻む時間」も人間が作り出した道具としている点だ。それがどうも最近人間は自らが作った道具に弄ばれてしまっている。筆者は現代の世界における、時間の厳密化、高速化、均質化に警鐘を鳴らし、もう一度自分達が作った(時計の)時間との付き合い方について考える機会を提供してくれている。例えば高速化の問題としては、人間が「走って」移動できるスピードはたかがしれていて、人間の時間知覚能力も本来それ相応のものであるにもかかわらず、現代では信じられないスピードの乗り物を操っているという指摘がある。これでは事故も起きるというわけだ。

読む前からは予想外の展開に向かっていった内容だったが、軽い読書には丁度良い。

ちなみに、本書内で紹介されていた「時計が刻む時間」は以下の(時間の)館で確認できるようです。
http://www3.nict.go.jp/cgi-bin/JST.pl
 

Thursday, January 01, 2009

謹賀新年2009

------------------------------------------------------------------------------------
A Happy New Year

2009年も宜しくお願い致します。

今回の年末年始は3泊4日の帰省期間のうち2泊分が朝7時就寝という俗に言うオールで、2008年の忘年会で痛んだ体を癒すどころか逆に体のリズムを崩す、素敵な過ごし方となりました。
(ある意味)圧巻だったのは、年越しの瞬間。大晦日は毎年恒例の飲み会だったのだが、その後惨事が。大変印象深い年明けとなりました。

さて、今年の抱負。
只野仁ならぬただのサラリーマンにならぬためにも、以下3つ。

①仕事+αのスキル
会社を明日辞めたとしても、この不景気の中、個人事業で最低限食べていけるだけのsurvive力をつける。具体的な指針はここでは述べないが、まず第一に勉強しようと思っていることは決まっている。

②音楽
2008年はけっこう怠けてしまった。
休日の音楽的充実は言うまでも無く、平日を如何に音楽的に豊かなものにするかが課題。
あとは、誰かバイオリン弾ける人と一緒にやってみたい。かな。

③欧州感覚
ヨーロッパの古き良き考えというか文化にもっと触れたい。
人生について考える上で、もっと多文化を背景とした視座が欲しいところ。

 
※もちろん本業も頑張ります。