Friday, October 19, 2007

The Devil's Dictionary

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① 新編 悪魔の辞典 
 <アンブローズ ビアス, Ambrose Bierce, 西川 正身>

知る人ぞ知るアンブローズ ビアスの遺した名著。
自身も奇怪な人生を送ったビアスの独特な目線での風刺で、今の日本で新刊として出版されれば叩かれること間違いない内容。
シニカルなこの辞典の全てでその面白さを理解するのはなかなか難しい。というのもまず一つにボキャブラリーの問題があって、かなりの水準が求められると個人的には思う。 また、ビアスの時代や当時の社会事情を熟知していないと風刺の狙いがどこにあるのかわからないといったケースも多い。

誰にでも理解できるだろう簡単な定義の単語をいくつか引用して紹介すると…

<カスタード>
雌鶏と牝牛と料理人とが悪意をもって共謀し、それによって作り出した忌まわしい物質。

<熟慮>
バターが塗ってあるのは果たしてどちらの側であろうかと、自分のパンを仔細に点検してみる行為。

<忠実>
いままさに裏切られようとしている人びとに特有の美徳。

<プラトニック>
ソクラテスの哲学に関係ある。「プラトニック・ラヴ」とは、不能と不感症との間の愛情に対して愚か者がつけた名称。

アンブローズ ビアスという人物自体が非常に興味深い。そしてこの書物が岩波文庫というのも面白い。 興味のある人でボキャとシニカルな笑いに自信のある人は是非一読のほどを。


② The Devil's Dictionary (Dover Thrift Editions) 
 <Ambrose Bierce>

①の英語版ペーパーバック。
表紙がイカしてるため日本語版と同時購入。 軽くて読みやすい。 …が、日本語でも笑いどころがわからない単語も多いのに、英語では真に楽しむのはなかなか難しい。。
先に日本語版を読んだので、わかるやつもけっこうあったが、はじめから英語版を読んだらおもしろくなかっただろう…
将来、英語のジョークもすいすいわかるようになったらまた読もうかと思う。
 
 

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