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さおだけ屋はなぜ潰れないのか? 身近な疑問からはじめる会計学
<山田 真哉>
よく売れた本。前回のレビューに引き続き、「よく売れた本は読んでおこうか」という発想のもと、今更購入した。
僕の周囲の評価は「微妙じゃない?」というようなものが多かったが、僕は素直に面白いと思ったし、こういう本は価値があると思う。
読んだ方も多いだろうが、内容は身の回りの何気ないトピックを通じて会計の基本を学ぶというもの。レベルは本当に低く、誰もが肩の力を抜いて読めるようになっている。僕がこの本に価値があると思ったのは、世の中の底上げにつながると思ったからだ。何となく貨幣経済に生きている人たちや、中学生、高校生あたりがこの手の本を読むことは、社会の健全化につながると思うのだ。世の中には罠がたくさん仕掛けられていて、何も考えていない人はその罠にはまってしまう。罠にはまったことさえ気づかない人さえもいる。そういう人たちが世の中の仕組みや自分の身の回りの現象を考えるきっかけとなれば素晴らしい。もちろん筆者としてはその流れの中でも特に「会計」に目が向けられれば本望なのだろうが…
ところで、会計というテーマで書かれた本書の全体とはあまり関係はないのだが、p143に
『「人脈」というとなるべく多くの業種の幅広い世代の人々と関係を持つことに重点が置かれがちだが、それは大きな勘違いだと思う。~(中略)~どんなに多くの「知り合い」を作っても、いざというときにものを頼むことができなかったり、こちらがまるで信頼されていなかったりしたならば、それはまるで意味のない「顔の広さ」である。』
と、人脈についての記述がある。
ここを読んでいて、就職活動をしていた頃に某VCの方に言われたことを思い出した。
「人脈っていうのは頼られて初めて人脈」
「さおだけ屋~」の中で言われていたことと大体同じことだが、分かっているようでたまに戒めないと自分の人生に反映されなくなってしまう。
たくさんの人の名刺を持っていても、薄く広い交友関係を持っていても、それは結局うわべだけで意味があるものかどうかは分からない。人脈とはいえない。
頼れる人が少ない、知り合いでなく「友人」が少ない…そう感じるときは、自分が相手に対して何も提供できていないのが原因だろう。そこを意識するだけでたぶん人生はもっと豊かなものになるのだろう。
Sunday, January 13, 2008
さおだけ屋
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