Friday, November 16, 2007

垣間見えるアメリカ的教育

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アメリカの高校生が学ぶ経済学 原理から実践へ
<ゲーリーE.クレイトン, 大和総研教育事業部, 大和証券商品企画部>


原著は600ページ以上におよぶ、実際にアメリカで使われている教科書。
経済学の本と言えば、巷の書店にハードカバーの分厚い本が並んでいるという印象がある。そして中身を見ると、理系向き?と思えるぐらいの数式の羅列。

しかし、この本は違う。
中学生のわかるグラフぐらいしか使われていない。精密な理論よりも、成り立ち、概念を重視して経済学の体系的理解を目指すようになっている。

1冊でミクロ、マクロ、国際経済学をカバーしていて、入門書としては万人向けの良書だと思う。
体系的理解のみならず、この本では、アメリカの教育方法についても知ることができる。

「理解」
という現象がどのレベルのことを指すのか、という問題でもあるが、日本の教育のそれは非常に input に偏ったものであることは明らかだろう。
ところが、本書では input のみならず output を非常に大切にしている。
細分化された各章末には「クリティカル・シンキング」、「経済概念の応用」という2項目が設けられており、ともに学生一人ひとりが input した内容を自分の頭でよく考えるような仕組みになっている。

現代の日本とアメリカ。その社会、経済の違いはこういう教育方法の違いからも生まれているのだろう。
 

僕個人としては…
日々の生活で input は多い。しかし残高がやや多くてバランスが悪い。
output を重視しなければいけない。

しかし、と同時に、やはり弛まぬ input も必要だ。
賢者はこの両者のバランスが非常にいい。どっちが欠けても賢者にはなれない。
 

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